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磯崎恵利子 15歳の受難
【レイプ 官能小説】

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暗闇の刻 ☆-1


 薄れゆく意識の中、恵利子は数日前の事を思い起こしていた。

 それは今日より遡る事5日、5月26日 金曜日。

男より今までの盗撮物と引き換えに、直接会い話す機会を設ける様に求められていたのだ。
もっともその要求は盗撮物と引き換えだけに、ほぼ強制に近い物であった。

“直接会い話す機会”と言えば聞こえは良いが、如何にそれが危険を伴う物か理解出来ない恵利子では無かった。
しかし指定された場所は、日中の駅のホーム内で周囲には十分過ぎる人の目もある。
到底その場所より力ずくで、連れ去られる様な事は無いとも思えた。

どちらかと言えば、その要求を固辞する事による男の暴発をより恐れた。
当初些細な盗撮から始まった脅迫ではあるが、計らずもそれは純真無垢な恵利子の心に徐々にではあったが確実に侵食していたのだ。

「磯崎恵利子さん、次の駅で降りましょう」
痴漢行為を受けその身を火照らせながら、耳元で囁かれた言葉に同意してしまう。
場所こそ事前知らされていたが、日時は伝えられていない抽象的な要求であった。
それが今このタイミングなのである。

迷い戸惑いながらも、その意外なタイミングに従い受け入れてしまう。
男の指先に玩ばれ続け、すっかり思考力が低下していた恵利子は今日この後が男の言う“話し合い”の場であると認識する。

 次の駅でドアが開くと降車する様促され、数メーター先にあるベンチに座らされる。
普段降車する事が無い寂れた駅ではあるが、それでも乗降客はおり周囲の人影に恵利子は安堵を覚える。

男はまるで恵利子の“乾き”を察する様に、目の前の紙コップ式自動販売機で購入された物を至極自然に差し出す。

極度の緊張と焦燥感の中で、軽率にも男から差し出された飲料水を口にしてしまう。
目の前の自動販売機より取り出された物に安堵を覚え口に含むが、一瞬の間隙を縫って男は粉末状の“薬物”を混入させていた。

飲料水と共に服用させられた“薬物”は、乾いた恵利子の身体に浸透し数言のやり取りの後その効能を示す。
少女の意識は微睡み始め、その清らかな身体全身が倦怠感に包み込まれていく。
その様子を無言で覗き込む男の顔が、恵利子に取って意識があった最終的な記憶となる。

 恵利子同様に千章流行の口中も渇き、その心理状態は極度の緊張と焦燥感の中にあった。
この時点においても千章にとっては、計画のほんの数パーセントの進捗率に過ぎないのである。
この後の最難関である行為が、計画の当初より危惧しもっとも避けたいリスクを冒す行為であったのだ。

“磯崎恵利子レイプ計画”において、その行為に及ぶ場所が懸念材料であり試行錯誤した点である。

二人目の少女において、その“環境”は調査段階当初より困難が予想されていた。
その家族環境と生活パターンから、美涼レイプ時の様に自宅に押し入っての犯行が不可能であったからである。

現実主義者の千章にとって、三流漫画やA.V.の様に少女を誘拐し拉致監禁する様な事は不可能であると判断していた。

 そこで一計を案じたのが、盗撮・痴漢・脅迫行為一連の流れから恵利子と接触を計る事である。
何れにしても“恵利子”をその手にする為には、警戒する相手とまず二人になる時間を作る必要があったのだ。

この後意識が混濁する恵利子の身体を、駅のホーム改札口を経由し隣接するコインパーキングに用意する車両まで移動させなければならない。
当然人目に付く行為で、出来るものならその様な危険は避けたい。
第三者目線で見れば当然違和感を感じ、ややもすれば見咎められる行為である。

しかし結果論だけ最初に述べるならば、千章はこの最難関を幾つかの幸運と優れた空間認識力を持って切り抜ける事に成功する。
周囲の関心が薄くなる絶妙のタイミング人の流れを掴み、車内で突如気分が悪くなった少女の父兄を装い、迫真の演技を展開し駅の改札すら抜ける。

ここが恵利子にとっても、千章にとっても大きな分岐点であった。
ほんの些細な切っ掛けから全てが破綻し、最悪の結果へと転がり落ちかねない数分が終わる。

 それは千章にとっては天国への、恵利子に取っては地獄への“扉”が開かれ始める瞬間でもあった。


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