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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈ホールドアップ!!〉-10

『フフフ……ここまでになっても撃たないか……やはり、さっき撃針を折ってたか?』

(ッ!!!)


八代は知っていた……あのスキール音の中の微かな破壊音を聞き分けていた……景子の瞳に狼狽えが見えたその瞬間、八代の蹴りは拳銃を見事に捉えて弾き飛ばし、景子の頭上を越えて暗闇へと追いやった……。




『……ん?専務。船から拳銃が降ってきましたよ?』

『クックック……やっと俺様の出番が来たぜぇ!!』


パトカーの中で待機していた専務は、コンクリートの地面に落ちて砕けた拳銃を確認すると、勇んでタラップを駆け上っていった。
丸腰の景子になら、拳銃を持っていれば負けないと思ったからだ。
手を翳してライトの眩しさを防いで甲板へと登りつめると、仁王立ちの八代と、こちらに背を向けた景子の後ろ姿があった。

肩を上下に揺らしての呼吸は、かなり疲労が蓄積していると分かった。
ここまでくれば、狩るのは時間の問題だ。


『クハハハァッ!!景子ぉ!!撃たれたくねえなら手ぇ上げろぉ!!』


勝ち誇った叫びが甲板上に響き、微かだがブリッジに反射して消えた。
と、景子は凄まじい形相で振り向き、向けられた銃口に構わず専務に突進した。


『……と、止まれコラァ!!これは本物の拳銃だぞぉッ!!』


打撃すら使わないのなら、拳銃で撃つ事など有り得ないと見切っていた。
絶対的な有利な立場にあるはずの専務は怯み、不利な立場の景子が逆に襲い掛かる……専務の勝ち誇った高笑いは数秒しか持たなかった……。


景子はスライディングするように身体の高さを低くしながら、回し蹴りで専務の手から拳銃を蹴り飛ばした。
そして拳銃が暗闇に消えていく間に、立ち上がりざまに、その憎き顔面を怒りの鉄拳で打ち抜いた。


『ぐげぇッ!!』


専務は膝から崩れ落ち、甲板上で仰向けに倒れた。
後から駆け上ってきた部下達は、大の字に転がる専務を呆然と眺め、その足は止まったままだ。


『……だから甘くみるな。と言ったのにな』


軽蔑の眼差しで専務を見ていた八代の瞳に、甲板に落ちていたデッキブラシを掴んだ景子の後ろ姿が映った。
背中を曲げ、息を乱す姿は疲労困憊といったところだが、その振り向いた景子の眼光は些かの曇りもない。自分が負けるとは、毛の先ほども思ってはいないのだ。



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