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HARMONY
【スポーツ その他小説】

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HARMONY〜1話〜-2

「おーい。そこのバスケ大好き少年!」
「!?なんだお前か」
「なんだとはなんだ。コノヤロウ」
「うるさいなぁ。なにしてんだよ、早く家に帰れよ」
「まぁまぁ、そんな冷たい事言うなよ。それより、全部聞いたよ。まだバスケやりたいんだろ?」
「・・・。やりたいんだけどな、また、やっちまったら歩けなくなる。そう思うと・・・」
「その気持ちはわからないでもないけどよ、今も十分動けてるジャンか」
「これは動きを制限してるからだよ。試合となったらそうはいかない」
「なら、試してみようぜ」
「なっ!無理に決まってるだろ!」
「無理じゃない。やってみなきゃわかんねぇだろ?」
「・・・」
「完治してるわけだし、大丈夫だろ。ルールは簡単、お前がオフェンスでオレがディフェンス。
攻撃は5回、その間に1点決めたら勝ち、1点決めれなかったら負け。スティールされたら外したと同じで最初から。お前に有利だろ?」
「あぁ、わかった」
「お、良い眼になってきたな。んじゃ、始めるか」
最初は軽くお手並み拝見、といきたかったけど、こいつがそんな奴じゃないことはすぐにわかった。
いきなり素早いドライブで切り込んでこようとしたが切った左足をかばいながらだったからすぐ失速した。
完全に抜かれたと思った。あらためてこいつのポテンシャルを見せ付けられた。考えて見れば、決勝でもオレはこいつを止めることはできなかった。でも、今ならとめられる。相手の怪我に頼る自分が情けなかった。
すぐに距離をとられて3Pをうってきた。左足をかばいながらのシュートはリングをとらえられず落下した。
その瞬間は焦りすらなかった。怪我をしていないこいつなら10発中8発をきめても、今は1発入るかも微妙だからだ。
無言でボールを取ったオレはそのまま尚人にパスをだし、次の攻撃に備えた。二回目も鋭いドライブで抜こうとしたが、同じ過ちを犯すオレじゃない。すぐに進行方向を塞ぎ、止める。また同じように距離をとり3Pをうとうとしたが、尚人は左足をかばうようなジャンプをせず、綺麗にうってきた。慌ててブロックジャンプし、そのボールを叩き落す。オレだって決勝まで行ったチームのキャプテンをしていたわけだし、そう簡単に決めてもらっては困る。尚人の眼には、何か迷いが消えたような感じがした。パスを返した後すぐ、ワンフェイクいれて得意のドライブを仕掛けてきた。完全に抜かれた。でも、止められないわけじゃない。レイアップの体制に入った尚人のボールを後ろからファウルぎりぎりのラインで止めた。
「今のはファウルじゃないよな??」
「あぁ、ナイスブロック」
「サンキュー。んじゃ、4回目だ」
そう言ってパスを出し、すぐに構えた。もう左足の怪我の事は忘れたほうがいいかもしれない。こいつはもう忘れてる。
そう思って抜かれまいと構えた瞬間、こいつのお得意(?)のレッグスルーからの高速ドライブについでバックロール。(決勝もこれで3回は抜かれた)眼は追いつくが身体がその速さに対応できない。
その速さは止められる奴がいるのかっていうぐらいの神ががり的なものだった。
この瞬間オレは負けを確信した。フリーの状態で尚人は綺麗なお手本通りのレイアップを決めて一対一の対決を終わらせた。
「ふぅ・・・」
まるでちょっと本気を出しただけ、みたいなため息をついて汗を拭いた。レイアップを決めた後はいつも言うのか決勝の時も言ってた。マジでムカツク一言。そのままオレは置いていたカバンを取り。
「お前全然動けるジャン。じゃ、明日は部活こいよ」そう言ってオレは立ち去った。この日の夜、オレはひどい悪夢にうなされた・・・
次の日、オレは楽しみで楽しみでたまらない部活の時間がきて、すぐに体育館に向かった。そこでは、同じ1年に囲まれているあいつの姿があった。
「おい、遅いぞ」
「わりぃわりぃ、今着替えてくるわ」
そんな会話を交わして、オレは更衣室に向かった。この日、後に”櫻の阿形と吽形”と呼ばれることになるコンビが誕生した・・・


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