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ルームメイト
【その他 官能小説】

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ルームメイト-3

理性と戦う俺をよそに、女の息が首にかかる。
「嬉しい…私、あなたがルームメイトでよかった!あ、名前は?」
「え!?あ、俺?か、加藤誠だよ!」
「マコトって呼んでいい?私のことはアキラでいいから」
もー何でもいーから勝手に呼んでくれ…。
それより俺は、胸板あたりの柔らかい感触が気になっていた。
「なんか…心強いな!お兄ちゃんみたいだね」
ニコニコしながらアキラはぎゅうっと更に俺を抱きしめる。


む、胸?!


むにゅんとした感触が俺に押し付けられる。
体のわりに結構デカイ。
つーか、お兄ちゃんってなんだ!お兄ちゃんって!
俺だってお前と同じ18歳なんだぞ…ってホラ、言ってるそばから俺のムスコが勃ってきちゃったじゃねーか…
俺はバッと体を離し「あぁ、夕飯出来るだろそろそろ、取ってきてやる」と、急いで部屋を出た。

は〜ヤバかった!
くっそ〜アキラめ、俺を挑発したりすんなっつーの。
俺は4号室の部屋の前で、悲しいかな、ムスコがおさまってくれるのを待っていた…。
ここでの食事は、朝と夜だけおばちゃんが作ってくれるらしい。
ラップがかけられたお盆を持って部屋に戻る…給食の食器みたいだ。
気がつくと外は真っ暗、時計も7時半を指していた。
さっさと飯食って、明日からの仕事に備えて早く寝よ。
俺は飯を二人分受け取り、部屋に戻った。
「だってこんなの初めてなんだもん!」
「しいたけ残すな!あっバカ、とんかつにケチャップかける奴がいるかよ!」
さっさと食ってさっさと寝るはずが、大騒ぎになっていた。
なんせアキラはこんな食事をしたことがないとか言いやがる。
「だってこんなの食べたことなかったもん〜もぉやだぁ〜うわーん」
「泣くな!俺のとんかつと交換するからお前これにソースかけて食えよ!」
コントかっつーの。
はぁ〜…すっげ疲れる。
ケチャップとんかつまずいし…なんなんだよコイツは…
「チーズフォンデュが食べたいよ〜…ひっく…」
「しばくぞ!嫌なら帰れ!」
帰れ、と言うとピタッとおさまる。
本当コントだな…と半分呆れながらも、結構アキラは面白い。
と、急に戸をドンドン叩かれた。
「あ〜…隣にいるもんだけど、ここ風呂9時までだから。じゃ。」
オタクみたいなねちねちした声が聞こえて、俺とアキラは固まった。
風呂が9時まで…幸いにも、風呂は各部屋ごとについている。
つまり、ガスが9時以降止まるってことだ。
なんだかんだやってるうち、時計の針はすでに8時半を指していた。
ゆっくり風呂入れる時間がないんですけど…。
「風呂9時までだって…どうするよ?」
「昨日は私、早めに入ってゆっくりできたから…9時までなんて知らなかった」
沈黙が流れて―――――アキラが口を開いた。
「マコトが5分であがってよ」
「はぁ?!俺は昨日寝台列車だし、体中クタクタなんだよ!」
「だって私だってお風呂ゆっくり入りたい!」
「アキラは昨日ゆっくり入ったんだろ!」
「私は女だもん!マコトは男だから一日くらい我慢できるじゃん!」
む〜か〜つ〜く〜なぁ〜…この女!
こんな時だけ女、女って言いやがって。
「じゃいいよ!お前が入ればいーだろ」
もうやだ、コイツ。
可愛いと思ったのが間違いだった。
俺は畳にゴロンと横になり、暇つぶしにメールでもやろうと携帯を取り出した…が。
アキラが俺の裾を掴んでグイッと引っ張った。
「なんだよ」
「ごめん…私、わがままだ」
「うるせーよ、早く入ってくれば」
「…一緒にはいろ」


何か言ってますよこの子…


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