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曼珠沙華
【SM 官能小説】

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(前編)-10

私の枯れたからだの中が、まるで湧き出した泉のように懐かしい疼きで充たされていく。

女の足指の間に執拗に舌を差し入れる…。舌が足指の線をなぞるように蠢く。女の足先から
漂ってくる香ばしい匂いは、まるで女の性器の中の甘い蜜のようにふんわりと鼻腔をくすぐる。

私は、足指の表面に微かに歯をたてる。歯に感じる女の指肉の甘美な感触が、心地よいほど私
の中を震わせる。唇と舌で女の足指をしゃぶりぬき、唇が指の付け根を絞めると、女のひそや
かな肉悦の喘ぎが、私のからだの奥深くに滲み入るように聞こえてきそうだった。


ねっとりとした唾液が唇の中で澱み、舌と足指が妖しく絡み合っている。生温かい唾液が、唇
の端から糸を引くように滴り、女の足指はぬらぬらとした悩ましい唾液の光沢で包まれる。

…ああっ…うっ…

眠っていながらも忍びやかな嗚咽をかすかに洩らした女は、その舌先に感じたように胸をのけ
反る。私は思わずからだを起こす。女は眠っているというのに私の愛撫に対して何かを感じて
いるのだ。


私は女の足先から唇を離すと、女の蒼白な肉体をじっと見つめた。

淡く緻密な陰毛に覆われた秘所の溝の翳り…そして、その色合いは肌の白さと妖しすぎるほど
のコントラストを描いている。しっとりとなびいた陰毛は、すでにとろりとした蜜液で濡れて
いるのか、今にも光の粒を零れ落とそうとしていた。

毛先は、まるで蛍のような細かい光の粒でまぶされ、つやつやとした妖艶な光を次々に放って
いた。


やがて雲におおわれた月がしだいに薄い灯りを見せるように、女の肉の割れ目がゆっくりと開
き、象牙色の潤みがしだいに深い煌めきを醸し出す。女の肉の割れ目の中が輪郭を露わにする
と同時に、私のペニスの芯が、欲情に飢えるように堅さと柔らかさを交互に含み始める。こん
なことは今までなかったことだった。

彼女の襞奥が、吹き込む微風になびくようにゆらゆらと揺れ始めていた。私を慰めるように襞
が収縮し、蜂蜜のような汁がとろみ、滴ろうとしている。肉襞から砕いた宝石のような細かい
光が溢れ、何かが泡立ち始めている。私は、かすかに堅さを含んだペニスを掌で包み込み、強
く握りしめた。

…うっ…ううっ…

嗚咽をわずかに洩らした私は首筋をのけ反らせ、からだを微かに震わせた。

柔らかいペニスの薄紫の先端からは、透明の液だけがわずかに滲み、ねっとりと亀頭を湿らせ
ながら包皮に微かに絡む。肉幹は萎えているというのにからだ全体が、性の心地よい疼きを増
してくる。私の奥底が女の陰部に包みこまれたように火照ってくる。そのとき無意識に私の足
の爪先がそり返り、汗で湿った太腿の内側の筋肉が伸びきった。


やがて私は、添い寝した女の肌に触れたまま深い眠りについた…。



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