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【青春 恋愛小説】

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17-8

「グラスに分けなくていいよ。そのまま少しもらえれば....」


間接キス。

脳裏に過ぎる言葉をかき消して、さり気無く凜子に缶を渡す。


指が触れる。


凜子は戸惑いもなく口をつけ、ビールを流した。


その様は本当に普段の凜子からはかけ離れていて、鉄弥はその色っぽさに見とれた。


少し凜子から距離を置いて、ベッドに座る。

あまり直視するわけにもいかず、出来ず、視線は凜子を避けて落ち着き無く泳ぎ回る。


無言、無音と言うのも耐え難い。

ベッドサイドのパネルが目に付いたので、凜子の視線を気にしながら操作してみる。

少しでも気が紛れれば。バスルームで腹を括ったあの時の鉄弥は、もういない。


案内フリップに目を通し、洋楽専門チャンネルをかけようとする。


しかし大音量で流れ出したのは、演歌だった。

鉄弥は、番組のチャンネルを間違って入力していた。


思わず凜子が吹き出した。

鉄弥も恥ずかしさを通り越して笑ってしまった。


慌ててチャンネルを再度入力。

次こそは。


「鉄弥くん、ほんっとおもしろすぎっ」

「いやー申し訳ない....」


怪我の功名か。

お陰で空気は軽くなり、会話のきっかけも作れた。


「なんかさ、わりーねほんと。かっこ悪いとこしか見せてねーなぁ...」

「ううん。鉄弥くんのそういうところ、いいと思うよ?」

「いやいや、勘弁してよ...。やっぱりさ、元とか誠にはかなわねーわ」

「うーん、鉄弥くんには鉄弥くんの、元くんには元くんの良さがあるんだから比べなくたっていいじゃん」

「そう?そう言ってもらえると助かるんだけど...」

「そもそも元くんとかは女の子慣れし過ぎてるっていうかさ、大人っぽ過ぎるのかな?」

「なにそれ、じゃ俺はガキっぽいってか?」

「そういうんじゃないけどさ、うーん....なんていうか、人が惹かれるポイントも様々ってこと」

「うーん....。なんかさ、凜ちゃんしっかりしてんね、ほんと。関心するわ」

「.....そんなこと無いよ.....」


ビールの缶をなぞる指がいやらしい。

少しはだけた胸元から微かに覗く膨らみも、鉄弥を刺激した。



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