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青い夏休み
【その他 官能小説】

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少女-3

「まだ小学生だとか、もう小学生だとか、生きてくために学ぶこと自体に年齢や性別なんて関係ないの。何かにつけて親が物事の良し悪しを決めつけて、コソコソ隠したり、むやみに禁止にしてしまうから、子どもはいつまで経っても大人になれない。体は成長していくのに、心だけが未熟なまま置いてけぼりにされているわけなの。ちょっと話がむずかしかったかな?」

 遥香が萌恵の目線に合わせて屈むと、少女は無言で首を横に振る。

 この子はちゃんと理解しているのだと、遥香は感心した。

「モエちゃんは女の子だけど、どんなことだって男の子には負けたくないでしょ?勉強も、恋愛も、それから大人の遊びも」

 大人になんかなりたくない、なんて感情的なセリフを言ってやりたいのに、結局は何一つまともな言葉が出てこない萌恵。

 目の前にいる人物が幽霊と人間のハーフなら、自分は子どもと大人のハーフかもしれないと、萌恵は真面目にそう思った。

「ボッチくんと、ハカセくんと、マサトくん。あなたが好きなのは、マサトくんだよね?」

「ぜんぜん違う」

 萌恵は頬を赤らめた。自分の気持ちは誰にも知られたくない。
 たとえ相手が幽霊だとしても。

「彼がここでわたしとどんなことをしていたのか、何を見たのか、あなたにもそれを教えてあげる」

 あくまでもお姉さん目線を変えずに、遥香は萌恵のすぐそばで、自分の胸を服の上から撫でまわしはじめる。

 金縛りに遭ったみたいに、萌恵はそこから動けないでいる。
 ただじっと遥香の行為を見ているしかなかった。

「ここをこうすると、とっても気持ちがいいんだよ」

 着衣をシワにしながらバストを揉む遥香の片手が、ソロソロと萌恵の胸元へ伸びる。

 そこはまだ発育途中のわずかなふくらみしかなくて、ロリータ趣味でもなければ見過ごしてしまうほど、儚げだった。

 大人の大きな手のひらが、女児の小さな木の実に触れる。

 その一瞬、萌恵は肩で息をした。
 明らかに胸のあたりが熱くなっていくのがわかる。

 早熟な心と未熟な体のバランスが保てなくなって、全身がぼうっと空中に浮かんでいるみたいだった。


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