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美しき姦婦たち
【その他 官能小説】

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十八歳果実熟れ頃(1)-6

 無造作に床に置かれたバッグに目を止めた。鼓動が高鳴る。ファスナーは開いたままだ。
 覗いてみるとビニールの袋や小物入れが敷き詰められてある。種類別になっている。意外ときちんとしている。合宿が多いだろうから習慣になっているのかもしれない。

 透明の袋に色とりどりのパンティが詰め込まれてあった。ブルー、ピンク、花柄、すべて色物である。さっき持っていったのは黄色だ。白が一枚もない。
(こんなにバラエティ豊かに揃えるものだろうか)
坂崎にはわからないが、好みにしてももう少し一貫性があってもよさそうにも思える。大らかな性格というべきか、気が多いのか。

 彩香は白だったと思いながら、ブルーのパンティを広げてみた。
(ほぅ……)
思いのほか小さい。あの尻が入るのかと思うほど布の切れ端のようだ。
(食い込むのだろうな……)
前に当たる部分を鼻に押し当ててみた。ここにぴったりとくっついて、スジを作る。柔軟剤の香りがする。
(そうだ……)
脱衣所にはいま脱いだ下着がある。坂崎はパンティを元に戻すと浴室に向かった。

 忍び足を止めたのはシャワーの音が止んでいたからである。
(もう出てくるのか?)
湯を流していないと扉が閉まっていても物音は意外と聴こえるものだ。
(近づけない……)
耳を澄ませると、くちゃくちゃ音がする。少ししてわかった。洗濯をしているのだった。
(明日から合宿だからな……)
ということは脱衣籠に下着はない。
 そっと踵を返して思い出したのは美緒が持っていった着替えのことである。パンティとTシャツ。
(ブラジャーはなかった……)
あの豊かな胸だ。シャツを通して突起まではっきりわかるだろう。急に膨らんだ期待に自然と相好が崩れてしまった。


(やっぱり、彩香と同じだ)
風呂から出てきた格好のことである。長めのTシャツにパンティ姿。ノーブラである。思った通り乳首の形がくっきり突き出ている。
(けっこう大きな先端だ)
つんとシャツを押しだして、ぐんと張った乳房の下はひらひらと引っかかった感じでシャツが揺れる。
 膨らみが大きいから歩く度にゆさゆさと胸全体が動く感じだ。実際には見えない乳輪の色さえ浮かびあがってくる。豊かな尻肉に挟まれて角度によっては下着が見えない。ノーパンに見える。坂崎はテレビに視線を向けつつ、せわしなく彼女の動きを追った。

 すぐにジャージを穿いたのは洗濯物をベランダに干すからだった。
「洗っちゃった。いまなら乾くもんね」
「うん。まだ陽が強いからね」
(そうか、明日の朝はいなくなってしまうんだ……)

 腕を伸ばして物干しに下着を留めている美緒の体を西日が包んで頬や項が金色に染まっている。伸びやかな肢体だ。それは若く美しい健康美として眺めるべきはずだが、今の坂崎には彼女を抱きしめる妄想で頭がいっぱいであった。

「五時すぎに出前来るから」
「楽しみ。ビール冷えてるよね」
「いいのか?お母さんに怒られないかな」
「だから、家でも飲んでるんだって。ほんとよ」
「それならいいけど」
「ふふ……」
美緒はおかしそうに笑って、
「伯父さんって真面目なんだね」
「真面目?」
「お母さんが言ってた」
「なんて?」
「結婚するまで伯母さんの手も握らなかったんでしょう?」
それはちがう。プロポーズをしたその夜に結ばれている。挙式の一年前のことだ。付き合って一年近く経っていたから早くはなかったが。……

 おそらく真希子に訊かれて陽子が照れ隠しに答えたのだろう。そんな風に思われていたとは知らなかったが、いまさらこの子に説明しても仕方がない。
 坂崎は可笑しくなった。
(どこが真面目なのだ)
いたいけな十六歳の姪の処女を奪い、いま『伯父』の微笑みを浮かべながら美緒の体を垂涎の思いで眺めている。言うなれば少し気が弱いだけなのだ。
 第一、品行方正な男などいるものか。無関心を装いながら誰だって女のエロチックな部分を確実に捉えているものだ。道で行きかう時も、満員電車でも、いい女、セクシーな体は逃さず見ている。 


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