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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第16話-32

「はぁ、はぁ、はぁ………」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ………」
 硬直と弛緩の連続を、あらぶる呼吸でやり過ごす二人。
「誠治、さん……わたし……すごいの、きました……」
「ああ……葵の、胎内(なか)で、よく、わかったよ……」
 もたれかかってきた葵の身体をしっかりと抱き締めて、いまだに収縮している胎内の感触を味わいながら、誠治は、陶然としていた。
「どう、しましょう……わたし……腰に、ちから、はいりません……」
「ふふ……みたいだね……」
 全体重が、寄りかかっている誠治にかけられていることは、座椅子の背もたれのきしみ具合がよく表していた。もしこれが、安物だったら、間違いなく折れてしまっていただろう。
「ちょっと、休もうか」
「は、はい……あっ……」
 誠治は葵のお尻に手を回すと、しっかりその身体を支えて、やおら、立ち上がった。
「あ、あんっ……つながってる、ままなのに……」
 腰に力が入らないとは言え、感覚は残っている。そして、二度目の放出を終えてなお、硬さを保っている誠治の“巨身”を収めたまま立ち上がったから、その角度が微妙に変わって、敏感な葵の胎内に刺激を生んだ。
「あ、歩くと、あっ、な、中を、つっついてくるのっ……!」
「まあ、これは、そういう格好だしね」
「あ、あンっ……!」
 その体勢は、いわゆる“駅弁”と俗称されるもので、誠治が歩行をする動きで腰を前後すると、その余勢で、繋がっている葵の胎内を貫くことになる。
「んっ、んぅっ……あっ……!」
 なので、隣の“寝間”にたどりつくわずか数歩の間に、“駅弁”によって胎内を誠治に突かれた葵は、軽い絶頂をまたしてもその身に起こしていた。
「さ、葵。楽に、なって」
 “寝間”に敷かれた、厚めの布団にその身を横たえる。葵を抱えたまま、スクワットをするような態勢を軽々と続けた誠治は、“前期日程”の後で地道に鍛えたその足腰が、往時の強靭さを取り戻していることを、存分に知らしめた。
「あっ、待って……」
「ん?」
「誠治さん、お願い……抜かないで……」
 体勢としては“正常位”になっている。葵を横にして、繋がっている部分も離そうとした誠治だったが、それは、背中に回された葵の両腕と、腰回りに絡みついた両脚によって、防がれてしまった。
 そのまま、葵に身体を引き寄せられ、覆いかぶさる体勢となる。
「葵、重くないのかい?」
「いいの……誠治さんを、いっぱい、感じていたいの……」
「葵……」
「誠治、さん……」
 夢うつつな表情で、囁くように名前を呼んできた葵だったが…。
「す、ぅ……すう……すう……」
 たちまち可愛い寝息を立てて、安らかな表情で眠りの中に落ちていった。
「ふふ……時間はたっぷりあるから、ゆっくり眠るといいよ、葵……」
 それを目の当たりにしながら、誠治は、苦笑にも似た微笑を浮かべると、葵の中に自分を収めたまま、あまり彼女に重みを感じさせない体勢をなんとか探り当て、まどろみを感じるままに、自身もひと眠りすることにした。



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