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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第16話-29


「誠治さんの、ずいぶんと濃い味がしました……」
 葵に主導権を委ねる“フェラチオ(口舌性戯)”から、自らの腰使いでその口内を蹂躙する“イラマチオ(口内性交)”に移行したまぐわいを終えて、その後は静々と互いの身体を洗い、浴室から出た二人は、和風の部屋であるからか、バスローブ代わりの浴衣を羽織るように身に着けて、寄り添う格好で座椅子を分け合い、“居間”で静かな時間を過ごしていた。
「わたしの口の中で、いっぱい、興奮したんですね……」
 唇に手を当て、恍惚とした様子で、葵は浴室での行為を反芻しているようだった。口の中を“犯された”という感覚は、彼女のほうにはまったくないらしい。
「………」
 指を啄ばみ、口の中に含み入れた葵は、自らの指でその激しい動きを実践するかのように、何度も指を口の中に出し入れしていた。
「葵」
「あっ……」
 誠治はその手を取り、葵の唾液が纏わりついて、濡れ光っている指を、咥えた。
「誠治、さん……」
 指先を舐め、吸い、口の中で弄ぶ。葵の口に浴びせかけた己の強欲さに対する贖罪を、葵の指に対して施している、そんな様子であった。
「そんなに、わたしの指をしゃぶって……おいしいんですか……?」
「ん」
 葵の戯れるような声に対して、軽く頷きを返し、誠治は無心に葵の指を舐める。
「それとも、気にしているんですか……?」
 ぴたり、と、葵の指を唇で咀嚼する動きが止まった。どうやら、葵には見透かされているようだ。
「フフ……いいのに……」
「………」
「誠治さんが、わたしの口の中で、激しく動いていて……」
「………」
「いっぱい、口の中に、出してきて……」
「………」
「わたし……とても、興奮したの……」
 はぁ、はぁ、と、葵の呼吸が荒くなっていた。それはまるで、発情している雌犬のようである。浴衣を通して感じる彼女の肌には、まだ、冷め切っていない“性の熱気”が篭もっている。
(それは、そうだよな…)
 誠治は、葵の口の中にたっぷりと精を出したが、葵自身は愛撫による軽いオーガズムを味わっただけで、まだ、本格的なエクスタシーを見ていないはずである。
「お願い、誠治さん……わたし、もう、我慢できないの……」
 浴衣は帯も締めず、裸身の上に羽織っているだけだから、ちょっと手を伸ばせば、葵の生身の肌には手が届く。
「……本当だ」
 葵の指を口から離した誠治は、間髪をおかずに、右手を葵の太股の内側に潜ませた。焦らす様な事はせず、その中心に息づく女の部分を、指で確かめていた。
 その部分は、湯上りとは全く違う、熱い潤いに満ち満ちていて、発情している葵の身体の状態を、この上もなく誠治に伝えてきていた。
「葵、ぐっしょりになっている」
「は、はい……」
「溢れるぐらいに、濡れているよ」
「そう、なの……もう、どうしようもないの……」
 見なくても場所が分かるくらいに、いつも入っている膣口は、ヌルヌルした感触でいっぱいだった。こんなに濡れているのだから、前戯はもう、必要ないだろう。浴室での情事がそもそも、壮大な前振りだったようなものでもある。
「しよう、葵。こっちを、むいて……」
「はい……誠治、さん……」
 いつの間にか葵を背中から抱き締める格好になっていたが、その腕の中で葵の身体がくるりと反転し、帯を締めていない浴衣の間で垣間見える、その肌の白さが目に入った。
「ん……」
「………」
 正面から抱きつくように、葵の顔が近寄ってきて、そのまま唇が重なった。


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