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仄か
【その他 官能小説】

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 家を出たところで、クマゼミの声を聴いていると、黒い装いのタクシーが寄ってきた。

 事前に電話をしておいたのだ。

 早朝に利用するのは初めてだったので、料金のことが少し気にかかる。

 高齢のドライバーの愛想は良かった。

 最寄りの駅名を告げると、ものの数分で到着した。

 見上げた空は、すこぶる快晴である。

 向こうの空模様はどんなふうだろうかと、しばし思いを馳せる。


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