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仄か
【その他 官能小説】

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 視線をやると、私のすぐそばに、一人の女の子が立っていた。

 丸顔で、素朴な印象のする、女子大生くらいの年格好である。

 目と目が合うのも、必然だった。

 私がスペースを譲ると、彼女はかるく会釈して、窓側の席に落ち着いた。

 気まずい空気を感じたのは、おそらく、私だけではないだろう。

 たまたま隣り合わせた、中年男と、女の子。

 ただそれだけである。

 中継の駅まで、二時間弱か──。

 嬉しく思う反面、私は、微妙な憂いをおぼえた。


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