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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第15話-10

「結花……」
「あ、んっ……!」
 航の手が、結花の胸元に伸びた。そのまま、なだらかな部分に手を触れると、円を描くように、優しい手つきで、マッサージを始めた。
「やわらかいな、ここ……」
「んくっ、あ、あっ、わ、わたるの、て、あっ、や、やらしいん、だけど……」
 自分でも“スレンダー(ぺったんこ)”だということは、よくわかっている。しかし、航が胸をまさぐるその動きは、間違いなく、結花に性的な刺激を与えてきた。
「お、おっぱい、あんまり、ないのにっ……あっ、な、なんか、へんよっ……」
「ここってさ、“ない”ほうが、感度はすごく“ある”らしい……」
「って、んっ、あっ、な、なんか、ふくざ、つ……んっ、あっ、あんっ……!」
 動きとしては単調な円運動であるのに、鋭角的な刺激が沸き起こって、結花はどうしようもないぐらいに、体を悶えさせていた。それぐらい、“感度がある”ということは、相対的に、“豊かさがない(ぺったんこ)”ということになるのだろうか。
「わ、わたる、は、んっ、んふっ、ほ、ほんとは、おっきなほうが、あっ、あっ、い、いいんじゃ、ないの……?」
「結花が、一番いい」
「んひゃぁっ……!」
 両手が胸に押し当てられた。そのまま、心臓マッサージでもされるかのように、押し込まれつつ、時折、指先が蠢いて、今まで味わったことのない悦楽を、結花の身体に生み出してきた。

 むに、むに、むに、むに……

「あふっ、んっ、んっ、あっ、んはっ……!」
 胸先から全身に浸透してくる愉悦に支配されて、結花は、自分の声なのに、それを抑えることが出来なくなってきた。
「わたる……キス、してよ……っ」
「ああ……」
「んっ……んんっ……んむっ……んっ……」
 唇が重なったまま、胸への愛撫は継続される。喉の奥から込み上げる熱い吐息を、そのまま航と分け合って、結花はひたすら、体の欲求に導かれるまま、昂ぶりに身を任せていった。
「んぁっ……!」
 航の手が離れたかと思うと、すぐさま、シャツの裾から潜り込むように、内側に入り込んできた。
「ひぁっ……!」
 厚く熱い手のひらの感触が、結花の胸に直接、覆いかぶさってきた。
「やっ、ち、乳首にっ……!」
 素振りで出来上がった、航の固いマメの感触が、敏感になっている乳首とその周辺を刺激してくる。
「あ、ああっ、ん、んぁっ、あふぅっ、ん、んんっ……!」
 シャツ一枚を隔てたときとは違う、強烈な生身の感触に、結花はもう、想像以上に気持ちがよくて、たまらずに声を挙げるばかりだった。
「結花の声、可愛い……」
「やっ、は、はずかしっ……んっ……」
「もっと、聞きたい……」
「あぅんっ、んっ、やっ、んんっ、あっ、あんっ……!」
「結花……結花……」
 興奮に堪らないでいるのは、航も同様らしい。冷静なようにも見えるが、シャツの中に潜り込ませてきたその愛撫の手つきが、随分と余裕をなくして、素早く単調な動きになっていることからも、それは想像できる。
 性的に熟れていない二人ではあるが、興奮はそれを凌駕して、愛撫を受ける身と、与える身の両方に、それぞれ夢中にさせているのだ。
「シャツ、脱がせても、いいか?」
 結花が応えるより先に、航の手はシャツの裾を掴んでいる。それをそのまま引き上げなかったところに、辛うじて残っている航の理性がある。
「い、いいよ……」
 酩酊状態に入りつつある結花は、素直に両腕を持ち上げて、航がシャツを脱がせる動きを助けるように、“バンザイ”の姿勢を取った。上半身とは言え、これから裸を見られると言う恥じらいを、結花は忘れていた。

 する…

 と、衣擦れの感触を残しつつ、シャツがおもむろに引き上げられる。
「………」
 胸が露わになった瞬間、まったく揺れなかったのが問題にならないくらい、航にとっては瞠目すべき光景が、眼下に広がった。
 日焼けの痕は、想像できたが、結花の真っ白で肌理の細かな肌はそれを凌駕しており、薄桃色の乳首と、水玉模様のショーツと対比して、航の目には鮮やかに映った。


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