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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州記 -茸奇譚--4

「…何で泣く?俺への奉仕が嫌やちゅうことか?」
「あぅッ!?」
乱暴に竜胆の髪を引っ張り、床へ押し倒す。
「嫌か訊いとんのや」
小さく首を縦に振る竜胆。一紺の表情が、冷たさを増した。
「口戯だけでこんなに濡らしとんのに?」
「あ、ぅ…んッ」
一紺は竜胆の秘所を指ですくう。
「なぁ?」
言って彼がその指を竜胆に見せ付ける。中指にまとわりつく愛液はいやらしく光っていた。
濡れた指を再び秘所へ埋め、浅く時には深く突きながら竜胆の喘ぎにただ耳を傾けていた。
触れる度に意思とは関係なく溢れ出す液。
抑えようと思っていても出てしまう声。
達しそうなほど深く突っ込まれて背と喉とを退け反らせた竜胆の耳元で、「イッてみ」と、一紺は吐息と共に言った。
「あ、あッ、ん…ぁああああ!!!」
何かが弾けて目の前真っ白になる。
「はぁ、ん…」
余韻が残る。息を荒げた彼女に一紺は言った。
「イキっぷりはなかなかやな。誰に犯されてもこうなんか?独りでヤっても?」
顔を反らす竜胆。

「せやな…独りでヤってるとこ、見たいわ」
一紺はそう言って自身を取り出し、彼女の秘所にあてがった。
硬くなっているそれが触れると、竜胆は呻きにも似た声を上げる。
一紺はそれを一気に挿し込むかと思いきや、浅く埋めて軽く入り口を掻き回す。
ぐちゅぐちゅとわざと音を立て、羞恥心を煽る。
疼く身体は限界に近い。
一紺は自身を竜胆から抜き、彼女の右手を掴んだ。
「此処からは、自分やで」
「な…」
「出来るやろ?」
そのままそれを彼女の秘所へ。濡れた感触。一紺は竜胆の中指を秘所へ埋め、擦るように動かした。
「あッ、あんぅッ」
切ない声が出る。いつの間にか、一紺が動かしていた筈の右手は自分自身によって動かされていた。
中指を入れたり出したり、時に陰核に触れたり。
「自分の良いところは自分が一番知っとるやろ?」
声は虚ろな中で聞こえた。
「ん…ッ、はぁッ!」
絶頂に近いのを悟ったか、一紺は余すところなく彼女の恥態を見ていたが、ふいに竜胆の身体を反転させる。
「あ、やッ!?」
自然と四ん這いのように、形を取ることになる。
一紺は四ん這いの竜胆に覆い被さり、左手で乳房を揉みつつ、右手では陰核を弄んだ。
「ぅああああッ!!」
自慰での絶頂が近かったこともあり、それだけで達した竜胆を一紺は嘲笑う。
「売女は売女らしく、もっとええ声で鳴いてみ?」
「あ、あ、あぁ…あぁん!…あんッ!」
一紺は、後ろから己を挿し込んだ。
ずちゅり、と濡れた秘所から漏れる音が耳朶を犯す。
激しく水音を立てながら、一紺の腰が動く。
「良い声で鳴けば鳴くだけ、突いたるで」
「やぁあ!ん、ああッ、あッ!」
笑う一紺。こんな無理やりな形は嫌な筈なのに、身体は彼を求めていた。

――それからどのくらいの時間が経ったのだろうか。
竜胆は休みなく一紺に犯され続けていた。
最後に口戯で果てた一紺が、ばったりと布団に倒れ伏す。
「随分と上手なったやないか…なあ?」
「…」
竜胆は仏頂面で、彼の言葉を聞く。否定はしなかった。

そして暫し訪れる沈黙。
一体何時になったのか、時間の感覚はない。
ただ流れるのは沈黙のみ――それを破ったのは、一紺の咳だった。
「?」
何に咽たのか、疑問符を浮かべて竜胆は一紺を見やる。
彼は苦しそうに胸の辺りを鷲掴み、咳込んでいた。


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