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ゆえとナオさん part2
【同性愛♀ 官能小説】

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第11話-1

「私が恭子を失ったときに、悲しみの底にいたときに、そばにいてくれた人…がいたの。
本当は、人と呼んでいいものか…。もう、20年以上前のことよ。
私が恭子を失ったとき、その人は私の悲しみを理解しようとしてくれた。
愛する人を失うこと、人は一人であることを理解しようとしていた。
その人のことを、詳しく話していいものか判らないけれど、
その人は、私から大切なものを学んだ礼だと言って、私に授けてくれた…
『アルス・マグナ』を」
「『偉大なる術』ね」

「私は授かったものを利用して、人間の遺伝学についての、飛躍的な発想を得た。
遺伝子結合技術の一連の成果はそこからきたのよ。
『偉大なる術』は…しきいきかの…ひどく、けいじじょう…」
「?」
「ごめんなさいね。ナオ、いい?」
ナオさんとマリーさんは、英語で話をします。
相当込み入った話らしく、ナオさんも何度も聞き直しています。

「うーん、にわかには信じがたい話だなぁ。いい?二人とも聞いて」
「「はい」」

「『偉大なる術』は、マリーの識閾下にあって、常に認識はできないんだって。
そしてそれは、ひどく形而上的なもので、
人間の思考方法では理解しづらいものなんだって。わかる?」
「「わかりませーん!」」

「だよねぇ。よし!
『偉大なる術』はマリーが起きているときには、感じることができなくて、
寝入るときや、寝起きのとき、ボヤーってしているときに、
意識の上に浮かび上がってくるんだって。
それは、音楽や絵画を観賞して起きた感情が、他人に伝えられないように、
イメージのような漠然としたものなんだって。
そしてそれは、人間の、人類の物の考え方では理解しにくいんだって。
だけどマリーは、専門にしている分野のことは、理解ができたので、
人間の遺伝子に関する研究を、飛躍的に進めることができたんだって。どう?」
「「わかりまーす!」」

「ナオ、ありがとう。理解してもらえたようね。
そして、私の中にある『偉大なる術』は、もっと沢山の知識や知恵があるのを感じるの。
そう…、人々が緩やかにひとつになれるような…。
人類がより大きな存在になれるような…。
とても大切なことが記されていることが感じられるの。
だけど、私にはとても認識も、理解もできないの」

「えーっと、その『偉大なる術』は、美さきちゃんのお父さん?の仲間が、
マリーさんに授けたものなんですよね?
美さきちゃん、分かるの?」
「美さきには分かる…でも、子供だから理解できない…」
「えーっ!?それって美さきちゃんは、人類にとってのキーパーソンってこと?」
「まぁ、そうだけど、『偉大なる術』が無くても、
人類はいずれ、物理現実から抜け出して、認識世界を広げていくよ。
いつまでも危険や苦痛の多い、『個』のままではいられないもの。時間の問題だよ。
隕石でも落ちてきて、滅亡しなければね」

「美さきちゃんは『偉大なる術』の正統な後継者だわ。
美さきちゃんが、ナオくらいの歳になったら、持って行ってちょうだい。
それまでは私が預かっておくから。誰にも触れられないものね。
ナオ、美さきちゃんをよろしくね。私も全面的にバックアップするから」
「うん」
「わぁ、美さきちゃん大変だぁ。たくさん勉強しないとね」
「むぅぅ…」



空港のカフェで搭乗待ちです。
週末を利用して来ているので、すぐに日本に帰らないといけません。

「いやー、しっかし今回は驚いたなぁ。まさか私と美さきが縁があったなんて」
「本当ですね。美さきちゃんのお父さん?が気になるなぁ。
どんな人?だったの?美さきちゃん」
「『一人』だけど…『みんな』…」
「???。テレポーテーションは、お父さん?に教わったの?」
「『みんな』でよく見る…とてもよく見る…」
「???」
「ふうん…」
「ふうんって、ナオさん?このナゾナゾが分かるんですか?」
「美さき、テレポート能力が使えないときは、『みんな』が忙しいとき?」
「そう…」
「なな、なんなんですか?あなた達は。いったい、何について話しをしているんですか?」
「だから、美さきのお父さん?達についてよ。
美さき、あまり長い時間『みんな』とおしゃべりしないほうがいいわよ。
頭がおかしくなってしまうから。
何しろ相手は、人類と思考プロセスのまったく違う、巨大な存在なんだから。
元に戻らなくなるわよ。あなたはまだ子供なんだから」
「はい…」
「ぜんぜんわかりませーん」

「まぁ、それはさておき、おみやげよ。
キャドバリーチョコレートの本社はイギリスなんだから。工場もあるのよ」
「えっ!そうなんですか!?」
「NZメイドと食べくらべてみようよ」
「定番品を、製造国違いで食べくらべてみても、おもしろいですね!」
「今度は美さきに食べさせてもらうのもいいわね…」
「ヒッ!…」
「真っ白なバナナが、美さきのお腹の中でチョコレートまみれになって、茶色になって…
ゆえと二人並べて、味くらべもいいわね…」
「ヒイッ!」
「やだ、私、濡れてきちゃった…トイレにいってくる」
ナオさんはトイレに行きました。

「ナオさん、あんなこと言ってる。美さきちゃんは重要人物なのに。
美さきちゃん、大変だけどがんばろうね!
私一人じゃ、とてもナオさんの相手は務まらないもの」
「ちょこばななは…こまる…」


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