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Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

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Betula grossa〜出逢い〜-29

その日、俺は朝からずっと神楽の稽古をしていた。笑美ちゃんと姫川さんは料理の手伝いをして、梓さんと香澄さんは神社の除雪と神楽の準備を手伝っていた。夕方近くになって
「少しでも稽古をしておきたい気持ちはわかるが、少し眠ったらどうだ?」
香澄さんが休憩している時に声をかけてくれた。
「ありがとうございます!でも....」
俺が躊躇っていると
「寝不足でそんな顔じゃ....せっかくの美人が台無しだぞ!」
「えっ?」
「純姫様がそんな顔しているとマズいと言ってるんだよ!兄貴からも言ってくれ!」
「そっ..そうだな....葛城君!香澄の言う通りだよ!少し眠っておきなさい!そのほうがいい!」
昂さんの言葉に俺は休ませてもらう事にした。少しうとうとしたぐらいしか出来なかったが起きた時は頭がスッキリしていた。
「葛城君少しは眠れた?」
昂さんが俺に声をかけてくれた。
「はい!かなり楽になりました!」
「それは良かった!夕食の後で香澄にメイクをしてもらってくれ!」
「はいわかりました!香澄さんお願いします!」
「おう任せておけ!」
香澄さんは自慢気に答えた。
夕食の後、俺は最初に衣装を着付けてもらった。巫女さんの衣装を豪華にした物だった。その後でカツラを着けて、香澄さんにメイクしてもらった。全てが終わって自分の姿を鏡で見た時、これが本当に俺なのかと目を疑った。
香澄さんに連れられて、みんながいる部屋に入った時に
「純兄ちゃん綺麗....」
笑美ちゃんがふともらした....
「そうかな....」
神楽を舞うという特別な雰囲気からかなんだか嬉しかった。
「もしかしてそっち方向に目覚めちゃってたりして!」
梓さんがからかってきても
「止めて下さい!梓さん!」
口から出たのはいつもと違った言葉だった。
「オイオイどうしたんだ?まさか本当に?」
「そんなはずないでしょう....ただ....このような姿になると私も....」
「純兄ちゃん..本当に純姫様になったみたいだね!」
「イヤだ!笑美ちゃんたら冗談ばかり....」
「冗談じゃないよ純兄ちゃん!でも....なんだかいつもと違うよ!」
「仕方ないわよ!葛城君は今は純姫様なんだから!この姿でいつもの葛城君と同じだったら、純姫様の逆鱗に触れて、それこそどんな祟りがあるか....そうでしょう?葛城君?」
「そうですね....」
姫川さんの言う通り自分でも自分じゃなく、まるで....それが少し嬉しかった....純姫様に少しでも認めてもらえたのなら....
「ところで純姫様....」
「ちょっと!姫川さんどうしたの?急に....」
「その姿を見ていると、葛城君って言いにくくって....」
「そうだな!どこから見てもお姫様にしか見えないものな!」
姫川さんの言葉に梓さんが同意した。
「写真をお撮りしてもよろしいでしょうか?」
姫川さんはデジカメを取り出して構えていた。
「いいよ!」
俺は少し恥ずかしかったが了解した。
姫川さんが俺の写真を撮っていると
「美菜お姉ちゃん!私と純姫様の2ショットの写真撮って!」
笑美ちゃんが言うと
「いいわよ!その代わりに私と純姫様の写真も撮ってね!」
「うん!わかったよ!美菜お姉ちゃん!」
それから梓さんと香澄さんを交えて撮影会が行われた。最後は5人での写真を明美さんに撮ってもらった。




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