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Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

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Betula grossa〜出逢い〜-24

「お姉ちゃん!宿題でわからない所があるんだけど....」
笑美が持って来た問題集を見たがさっぱりわからなかった。
「ゴメン....昔はわかってたはずなんだが....」
「そっか....」
笑美ががっかりとした顔をしたので
「そうだ!少年に教えてもらえれば?」
私はそう言って電話をかけた。
「おかけになった電話は電波の届かない.....」
そんなメッセージが流れて来た。
「携帯の電源を切ってるみたい....ちょっと聞いて来る....」
私はそう言って少年の部屋に行ったが、少年は留守だった。
「留守だった....」
「それなら仕方ないよ....今度教えてもらうから....」
そこに美菜ちゃんから電話があった。昨日、サンプル写真のモデルをした時に美菜ちゃんが持っていたデジカメで私達を撮っていた写真をプリントアウトしたので見ないかという事だった。
「笑美!美菜ちゃんが、昨日撮った写真見ないかって誘われたんだけど行く?」
「うん!行く!」
「じゃあ一緒に行こう!あっそうだ!ついでに宿題のわからない所も美菜ちゃんに聞いてみれば?」
「うん!そうだね!」
私達は待ち合わせ場所で美菜と合流して昼食も兼ねてファミレスに行く事になった。
ファミレスに行く途中で香澄が前から歩いて来るのに気づいた。
「香澄!朝から疲れた顔してどうした?」
「なんだ梓か....仕事だよ!仕事!....朝イチで仕事が入ってたんだ!」
「そっか大変だな!そうだ!昨日撮った写真があるけど香澄も見る?」
「見てみたいんだけど....今から実家に帰らないといけないんだ....」
「珍しいな!香澄が実家に帰るなんて!」
「今年は特別だよ!実家の神社が建てられて三百年だから神楽をやりたいって兄貴が言いだすから....」
「で、その神楽を香澄がやるのか?」
「兄貴はそのつもりだったんだけど....私より適任者がいたんで、そいつに頼んだ!」
「適任者?」
「ああ!少年に頼んだ!」
「少年って....まさか....」
「そう!純君だ!」
「ええっ!」
私達は同時に声をあげた。
「大丈夫なのか?」
「なんとかなるだろ!別に有名な物でないんで村人以外は見に来ないから....あっそうだ!お前らも来る?」
「えっ?いいの?」
「ああ!手伝ってくれるなら実家に泊めてやるし飯も食わしてやる!交通費まで出してやれないけどな!」
香澄がそう言ってくれたので、私は笑美を見て
「笑美?行ってみようか?」
「行ってみたいけど....お金が....」
笑美は淋しそうに下を向いていた。
「それくらい私が出してやるよ!」
「本当!ありがとう!お姉ちゃん!」
笑美は嬉しそうに笑った。
「美菜ちゃんはどうする?」
香澄が聞くと
「お邪魔でなかったら一緒に行ってもいいですか?」
「もちろんいいに決まっているだろう!」
香澄はそう言って笑った。
私達は一度家に帰って、着替えを持って駅に集まった。
私達は帰省客でごった返す電車で、香澄の実家へと向かった。途中で神楽のもとになった言い伝えを聞きながら....
「確かに....あいつは適任者だな....」
香澄の話しを聞き終えた後、私は思わず呟いた。




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