投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 19 Betula grossa〜出逢い〜 21 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

Betula grossa〜出逢い〜-20

[大晦日の夜に酒と肴、そして村に来ている舞師を我に捧げよ!]

翌朝、庄屋さんは村の主だった者を集めて相談した。
「酒と肴は毎年の事だからなんとかなるが....お純さんはどうする?」
「この冬は雪が少なく、来年の夏が心配じゃからなんとかせねば....」
冬になると降って来る雪はそこで暮らす者にとって邪魔でしかなかったが夏の水源になる。雪が少ないという事は夏の水不足を意味する....みんなはその事で頭を悩ませた。
この村では水不足にならないように、毎年酒と肴を大晦日の夜に龍神様に捧げていた。酒と肴以外の要求が来たのは今年が初めてだった。
「仕方ない....わしが話してみよう!」
最後は庄屋さんがお純に話す事になった。
「お純さん....話しがあるのだが....」
庄屋さんはお純を呼び出して話しかけた。
「はい!なんでしょう?」
疑う事なく笑顔で聞いてくるお純に、庄屋さん達は心が痛んだが
「実は....龍神様からのお告げがあって....お純さんに龍神様の前で舞を披露してもらいたいのですが....」
「私の舞で良いのでしたら喜んでお引き受けします!」
龍神様はお純を差し出せと言っているので、舞を見せろと言っているわけではない....庄屋さん達はお純を騙している事に心が痛まないわけではないが所詮よそ者のお純が犠牲になる事で村が救われるならこれでいい..そう考えていた。
大晦日の夜、お純は庄屋さん達が担ぐ輿に乗せられ、龍神様が棲む龍神湖に連れて来られた。湖の畔に設けられた祭壇の上に酒と肴が並べられ、その横にお純が座っていた。
やがて湖の中から男が現れ水面をゆっくりと歩き祭壇に近づいて来た。祭壇の横で庄屋さん達は土下座をするように頭を下げたので、お純もまた庄屋さん達と同じようにした。男が祭壇に上がって来た時
「龍神様..今年一年ありがとうございました....来年もよろしくお願いします....今宵は龍神様に少しでも喜んでいただけるようにささやかですが宴席を設けさせていただきました....」
「うむ....ご苦労!」
龍神様は満足そうに頷いた。
「そなたが村で評判の舞師か?構わぬ面を上げよ!」
顔を上げたお純を祭壇の四隅に焚かれた篝火が照らした。
「噂に違わず美しい....さぁお前の舞を見せてくれ!」
「はい!」
お純が立ち上がると
「お前達も面を上げて舞を見るがいい!」
「ありがとうございます!」庄屋さん達は顔を上げて祭壇を見つめた。その夜のお純の舞は見ている者を惹きつけた。龍神様は満足そうに酒を口にしながらお純の舞を見ていた。
舞が終わり再び座って頭を下げたお純に
「構わぬ!さぁ酌をしてくれぬか?」
「はい....」
お純は龍神様の横に座って、龍神様の杯に酒を注いだ。龍神様はその酒を一気に飲み干した後、お純の肩を掴み抱き寄せた。
「龍神様....お戯れはお辞め下さい....」
「良いではないか!こんな事初めてでもなかろうに....」
「いえ..私は体を売った事など一度も....」
「そうか!それは楽しみだな!」
龍神様はお純を押し倒した。
「おやめ下さい..龍神様....」
「初奴よのぅ....まあ良いではないか!」
龍神様はお純の着物の中に手を入れた。
「龍神様..お戯れはおやめ下さい....」
お純が抵抗する度に着物が崩れて、龍神様の手が奥へと入っていった。
「ん?」
龍神様の顔色が変わっていった。龍神様はお純の着物から手を引き抜いて
「お主ら!わしを騙したな!」
庄屋さん達を睨み付けて叫んだ。
「何をおっしゃっておられるのですか?」
龍神様は刀を掴み、鞘から抜いて、庄屋さん達の方に歩み寄った。


Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 19 Betula grossa〜出逢い〜 21 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前