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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風-4

カルサはリュナを見て諭すように言葉を放った。優しさと想いが伝わってくる。あの子供の頃と同じ優しさを、彼は未だ捨てずに持っていた。リュナはほほ笑み、カルサの目の前にしゃがんだ。

「でしたら…ただ傍においてくださいませ。何か私にできることはありませんか?私は陛下のお役に立つ為だけに、ここに参りました。」

カルサは今までの疑問を思い切ってリュナに伝えてみた。なぜ、そこまでしてくれるのかと。リュナはその問いに笑顔で答えた。

「貴方様を好きだからですわ。ずっと。」

カルサの顔が真っ赤に染まる。昔からそうだった、彼女は素直で聞いてるこちらが恥ずかしくなるような嬉しい事をよく言っていたものだ。困ったことにその純粋さは変わってはおらず磨きがかかっているようにも感じる。

「…お前はっ!またそんな恥ずかしくなるような事をよく言えるな!」

リュナには聞こえないように抗議の呟きを放った。彼女の素直さは心を洗う。

「王位についてから何かと心労が耐えない。リュナ…話相手をたのめないだろうか…?」

自分でも驚くほどすがるような思いで出た声だった。だがリュナは幸せそうに笑い、はい、と答えた。
風神リュナ・ウィルサが城に来てから随分時が経った。

彼女はカルサの話相手として城に住み、手が空いているときには風神の力を使い(といっても風をよむだけだが)天気を予報したり、孤児院に行くなど国に貢献する働きもするようになっていた。

もちろん相変わらず公務での心労が耐えないカルサの話相手としても、彼女は活躍していた。以前カルサがオレに言った言葉、

《妃にするなら風神でもないと見合わない》

まさに彼女は適役だと思う、実際カルサはリュナにひかれているのではないか?王室を守るものとしては今すぐにでも婚礼をと行きたいところだが、…いやいや、ここは可愛い従兄の為、黙って流れを見守ろうではないか。ほらまた大臣とひともめしたカルサがストレス貯めたまま私室に戻っていく。ここからは彼女の役目だ、本当にいい関係なんだが…花はいつになったら咲くのだろうか?

私室に戻ったカルサは真っ先にベッドに頭から倒れこんだ。このまま眠ってしまいたい…だが眠れそうにもない。

「くそ…っ」

枕に押しつけたまま呟く、うまくいっていない訳ではない。だがたまにある意見のすれ違い、国を動かしているのだ、当たり前だがやるせない。

コンコン

ノックをする音が響く、不機嫌なカルサの問い掛けに音の主は答えた。

「誰だ?」
「リュナです。」
「…入れ。」

許可を得て、リュナはティーセットがのったワゴンをがたがたいわせながら入ってきた。その表情はいつもと同じように暖かい。

「会議が終わったと聞きました、紅茶はいかがですか?落ち着きますよ。」

返事を待たずにテーブルの上に用意をしはじめた。カルサは寝転んだまま顔だけをリュナに向け、彼女の行動を見ていた。料理長お手製のお菓子を皿にのせ、お茶会の準備を整えている。いつもなら席につくところだが、今日はそんな気分にはなれなかった。


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