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ひとしずくの排卵
【その他 官能小説】

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十二-2

「いいものがある」

 繁は部屋を出た。
 そして数分も経たないうちに戻ってくると、つぐみの正面に座った。

「ただの火傷薬だが、これがよく効くのだよ」

 繁が持ってきたのは薬である。
 容器の蓋を開けて、中の白い軟膏を指ですくうと、それをつぐみの乳首に塗りつけた。

「あっはっ……はふう……」

 つぐみは片目をつむった。
 乳首がきりきりと火照って、しだいにハッカみたいな冷感がおそってきた。

「こっちにも薬が必要だろう」

 繁はさらに軟膏を指に盛り、つぐみの陰部に丁寧に塗り延ばしていった。

「あっ……ああ……はっ……」

 女の壺が蜜を溢れさせて、つぐみの体をこわしていく。

「なかなかの目の肥やしだ。おなごとしての値打ちがよくわかった」

 完全に堕ちた女を目の前に、繁は着々と事を進めていく。
 その手には茄子が握られている。
 育ちの早い立派な実が、こわれた女をさらにこわしにいく。

 姫穴は十分に濡れていた。
 膣口よりも太い茄子が、繁の手によって押し込まれていく。
 ぐっと奥へ、さらに奥まで呑ませる。

「あっ、大きい、ああっ、いや、いや……」

 おしべとめしべが交配しているようだと繁は思った。
 出し入れするごとに、蜜が陰唇を割って溢れてくる。

「そろそろ尺八といこうか」

 土から掘ったばかりの牛蒡のような繁のいちもつが、つぐみの口内を犯した。

「んぐう……」

 初めて口にする男性器に、胃液を刺激されるつぐみ。
 涙ぐみながらも、生臭いそれを口いっぱいに頬張り、よだれを絡めて吸いつく。

 下は茄子によって快楽の中にあるのだ。
 つぐみの穴という穴が女の悦びを吹き出していた。

「あんたの望み通り、好きなだけ精子をくれてやる」

 繁は残りの火傷薬を二本指に盛りつけて、つぐみの乳首と陰核と膣深くにまで、たっぷりと擦り込んだ。

 湯上がりのような色気、肌の滴り、乱れのない顔立ち、それぞれが繁を誘っていた。

 男の肉が、女の肉に突き刺さる。
 つぐみの膣は狂っていた。

 それは、油を差した内燃機関が暴走する有り様にも見えた。
 原動機の内部で燃料が火を吹く。
 潮と蒸気を吐き出しながら、いやらしい排気音をとめどなく漏らしつづける。
 骨組みは軋み、暴れるだけ暴れたあとには、ただの鉄くずとなるのだ。

「孕ませてやる」

 繁は行為を急ぎはじめた。あと数秒も、もたない様子である。

 つぐみの意識もどこか遠くをさまよっていて、まぐわいから置き去りにされているみたいに、声もなく上体を揺らすばかりである。

 ときどき痙攣しているのは絶頂のせいではあるが、一度ではなく、二度も三度も絶頂していた。

 はじめのうちこそ繁のほうがつぐみを抱いているつもりでいたのに、今ではつぐみに抱かれている感覚すらある。

 噛み合った二つの性器が粘着して、はずそうにも、膣圧で締めつけられて動かせない。

「なんて体をしとるんだ。わしがおなごに食われとるみたいだ。もういい。これぐらいで終わりにしよう……」

 うあっ、と繁は声を上げた。
 顔には脂汗が浮いて、泡吹いた唾が口のはじにたまっている。

 つぐみに乱暴していたはずの男根は、いつしかつぐみの手に握られていた。
 亀頭は赤く腫れて血走り、膀胱が破けそうな痛みが繁の意識を奪っていく。

これであなたはもう二度と、女の子を抱くこともできなくなる──。

 つぐみは手に握っているものをさらに握りしめて、力いっぱいねじ曲げた。

 股間はすでに痛みを越えていた。
 繁は変な声を漏らしながら後ろ向きにひっくり返って、そのまま気を失った。


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