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ひとしずくの排卵
【その他 官能小説】

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十二-1

 繁の亀頭がつぐみの陰唇をひらひらと舐めるたびに、湿った音が飛び散っている。
 いつ合わさってもおかしくない体位である。
 つぐみは陰核が甘く疼くのを表情から消したかった。

「ここがええのか。乳よりも女々が感じるんか?」

「やめ……て……、もう許し……て……」

「それはいかんな。わしが満足できたら、紳一くんのことを話してやってもいい」

「そん……な……」

「どうだ、犯してくださいって言えるか?」

 つぐみは拒否した。

「先生、あんた、紳一くんを好いとるんだろう?」

「そんな……ことは……」

 言葉を濁すつぐみに、繁が手を尽くす。
 膣をこねくりまわし、乳首をひねって、そこら中を舐めて舐めて舐め尽くした。

 おかしくなったのは、繁もつぐみもおなじだった。

「犯し……て……くだ……さい……」

「ふむ。先生は英語はできても、日本語はなってないようだ。もう一度」

 繁は三本の指でもって、つぐみの中をもてあそんだ。

「お願い、します……。犯して、ください……」

 悔しくてうまく言えない。
 それでも繁は、してやったりという笑みを浮かべて、股間の支柱をつぐみに挿入した。
 たった一発の重みが、つぐみの理性にのしかかった。

「あぐっ……」

 喘ぎはすぐに沈黙になった。息ができないのだ。

「はあっ……うっ……」

 ようやく息をつくと、つぐみは大きく仰け反った。
 呼吸をはずませながら、繁の注入に負かされていたのである。

 それは肉体を突き破り、骨まで響くほどの衝撃だった。

「若いおなごは締まりがええ。わしのはどうだ?」

 繁は、いやしい顔で訊いた。

「あうあん、き、もちいい、ああっ、いいっ……」

 清楚なつぐみの姿はなかった。
 繁にしても、膣に抱かれた瞬間からずっと、射精したくてたまらなかった。

 そうしてついに繁は情けない声を上げて、つぐみの中で尽き果てた。
 精液を吐き出したあとも、陰茎はなおも膣内をうろうろしていた。

 間もなく性器がはずれる気配があり、つぐみは繁のことを恨めしく見た。

私を犯したことを後悔させてやるから──。

 根に持ったものをおもてには出さず、つぐみはふたたび脚を開く。

「もう少しだけ、私を犯してください。あなたのことが忘れられなくなるくらい、奥まで犯されてたいんです。だめですか?」

 つぐみの意外な申し出に驚く繁だったが、それは都合がいいと鼻の下を伸ばして、含み笑いをした。


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