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二兎追う方法、教えます
【学園物 官能小説】

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兎の決意-5

「会長は、器用だけど性格が大雑把だからね。料理はあまり上手くないんじゃないかな」
「随分、詳しいのね。もしかしてサトウさんの料理、食べたことあるとか?」
「ないよ、ないない! 普段の行いから推測しただけさ」
「ふぅん。そういえば、わたしがいない三日間は、サトウさんと二人きりだったのよね」
「そりゃ……元々三人しかいないんだから、一人休めばそうなるよ」
「わたしが休んでいたほうがよかった?」
「そんな訳、ないじゃないか。今日は何か意地が悪いな?」

 ツキコはテーブルに頬杖をついて、俺の何かを確かめるように無表情で見つめている。
 何でもない会話のようでいて、微妙な緊張感がツキコの部屋を覆っていた。
 ツキコのいない三日間、俺はヨウコの体を実際に愉しんでしまっていた。
 思い出すと、股間に熱くこみ上げてくるものがある。
 そして、その前には目の前に居る澄ました顔をしている女の子のあられもない姿を知ってしまった。
 色んな事が重なって、おかしな緊張感が醸造されているのだ。
 そして、ツキコとはまだ話すべきことを話していない。
 俺は、そのまま無かったことにしてもよかったのだが――

「意地悪なのは、こないだはあなたにそうされたから、そのお返しよ」

 こないだ、というのは公園でツキコと話をしたときの事だろう。
 俺は意図的に彼女に嫌われようと、少々ドギツイ話題をツキコに振ったのだが、これがきっかけでツキコは俺の想定外の行動に走ったのだ。

「――あの、今日は親御さんは?」
「父の職場の方に不幸があったみたいで、二人とも出掛けたわ。帰りも遅くなるみたい」
「そうか。じゃあ、今はハヤカワさんとふたりきりなんだな」

 俺は冗談めかして言ったつもりだったが、ツキコは俯き加減でほんのり顔を赤くしているように見えた。


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