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ぼんやりしたまま学校が終わろうとしていた。私は帰り支度をして帰ろうとした時携帯が鳴った。貴方からのメールが届いた。
『一日って長いね、なんで皆笑ってるんだろぅ?学校って疲れる』
私は驚いた。いつもと変わらず貴方の周りには人が集まり貴方を囲っていた。貴方も周りも笑顔だった。私は
《学校での時間は長いね、笑ってるのは貴方と居るのが楽しいからだと思う。好きな人と一緒に居るだけで幸せな気持ちになれたりするものだから…》
これしか言えなかった。私にも笑ってる意味なんて楽しいことがあったとき、愛想、何かを隠すための笑顔それしか知らない。貴方の笑顔は私の知らない笑いだと思った。
携帯が鳴り私は我に返った。
『早く卒業できたらいいのに…学校なんて嫌い。貴女の言葉は響くよ。』
私は嬉しくなった。それと同時に警報が鳴りだした。これ以上近づいてはいけない、また同じ過ちを繰り返してしまう。
私は過去に友人を無くした。とても大切な人で、ずっと一緒に居たかった。私とその人は出会ってお互い惹かれるように仲良くなった。いつも一緒に居て二人で居るのが当たり前だった。お互い家に帰るのが苦痛なぐらいだった。片時も離れたくなかった。お互いなんでも言えて喧嘩することもあったけど、いつもどちらからともなく謝って仲直りしていた。私はその人を愛していたのかも知れない。それに私はそんな幸せな日々がずっと続くと思って疑うことはなかった。けれど、あの寒さを残していた春の日それは音を立てて崩れていった。いつもの場所であの人を待っていた。時間になってもあの人は現れなかった。その時に携帯なんてなく連絡することはできなかった。私はあの人を待ち続けた。明るかった空は薄暗くなりやがて闇に包まれた。風が冷たかったけれど寒くなかった。あの人が来ると思っただけで幸福だった。この場所に現れたのは、あの人ではなく私の母親だった。それもとても暗い顔をして…
「待っててもあの人は来ないよ、これから病院いこう?」
私は母の言葉が理解ができないまま母の車に乗り込み病院へと向かった。病院に着くとあの人の両親が居て私の到着を待っていたみたいだった。あの人の両親が泣いている意味がわからなかった。ううん、知りたくなかった。理解したくなかった。あの人の両親と母が頷いてから歩き始めた、私にはついて行くしかなかった。あの人の両親と母は霊安室の前で止まった。私が中に入るとドラマで見るような光景が広がっていた。真ん中にベッドが一つ置かれていて手前ではテーブルがあり花が両端にあり中心にお線香がたかれていた。私はテーブルをすり抜け、ベッドに寝てる人の顔に掛かった白い布を外してみた。そこにはあの人が寝ていた。
「起きて、起きて…私きたんだよ?一緒に居るって約束したでしょ?なんか言ってよ……」
私は呟くように言った。あの人の両親も母も涙が溢れハンカチは何の意味もなく鳴咽すら聞こえる程だった。いつしか私の頬に涙がつたいその冷たさで自分が泣いて居ることに初めて気がついた。あの人の両親は途切れ途切れに話しはじめた。
「あの人は…貴女に会いにいつものように行ったの…したら信号無視の車に…………」
それからのことは良く覚えていない。どうやって歩いたのか、私はあの人の両親と言葉を交わしたのか、どうやって帰っのか…気がつけば部屋にいた。私は独り言葉を失い光をも失くした。うっすらと記憶があるのは病院の帰りに私は母の車の中 で涙が流れ続けていることだけだった。私は誰にも喋らなくなり食事もとらなくなってベッドの中にうずくまっていた。あの人が居ないのなら私は生きていても仕方ない、いっそあの人の近くに居れたらどんなに幸せだろぅ…と思い手首にカッターを当てて引いた。その直後母が私の様子を伺いに来た。母は私を見るなり私の頬を叩いた。


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