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夢姫伝説
【SF 官能小説】

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第1話-6

ジュリの肉ヒダが少し湿った感触に包まれるのを確認し、シンは膣口に指を入れて見ると、クチュッと粘液が感じられる。指を抜いて見ると指先には粘液が絡み付いていた。

「ハアハア...今は、あまり弄らないで。身体の分泌量が少ないから。補給しないと満足なプレイが得られないの」

少し刺激しただけだったが、それでもジュリは、敏感に反応していた。かなり感度が良いらしい。身体に汗の様な体液が溢れて、身体がふらつきシンの膝の上に身体を置く。

「君って、良く出来ているね」

ジュリの頭をシンは撫でる。その行為にジュリは嬉しそうに、笑みを浮かべて頬をシンの膝に擦り付ける。先程からのジュリの言葉を聞いていてシンはつくづく相手の高性能さに、舌を巻いていた。しかも陰部を刺激されたジュリは身体が少し汗ばみ、うっとりとした表情をしている。シンは、このままジュリを愛撫し続けたらどうなるのか見たかった。

「気持ち良くなったりするの?」
「勿論、オーガズムに達する機能は付いているわ。身体への刺激が十分に達した時に、脳内への電気信号が絶頂感を知らせて、それがオーガズムへと全身に知らせるの。人間で言う所のアドレナリンが私達には電気信号化されているの」

「凄いね」
「フフフ...でも、私から見れば、貴方の方が何倍も凄いわ。人間の男性は研究所にいる時から見ていたけど。貴方は他の男性とは違う。自分が見た男性の中で貴方は特別な存在だわ」
「そうかな...」
「ええ...そうよ。だからお願い、私をずっと側に置いて下さい。貴方から離れたく無いの」

ジュリはシンの顔に自分の顔を近付けて言う。シンは改めてジュリの顔を眺める。

美しく整った顔立ち、黒く円らな瞳、長い睫毛。それを支えるかの様に長く伸ばした黒髪。身体は柔らかそうな白い肌。普通サイズの膨らんだ胸。どれをとっても十分すぎる物である。シンは、自分には少しもったいない気がしていた。

「君は高性能過ぎるよ。僕にはあまりにもったいない気がする。やっぱ君は研究所に...」

そう言いかけてシンは、ハッと息を呑んだ。ジュリが目を吊り上げて頬を膨らまして怒った表情でシンを見ていた。

「私、貴方以外の人の所には行きません!もし貴方が私を嫌いになり研究所に連れて行くとか、他の人に私を差し出すと言うのなら、私はこの場で自分の全ての機能を停止します。だから貴方も私を手放す様な言葉は言わないで下さい」
「わ...分かった」


そう返事をするとジュリは、また元の和やかな表情に戻り「約束ね」と言う。

シンは改めてジュリの人格を確認した。彼女はもはや1体のアンドロイドでは無く、1人の人間と言うべき感情がある。何よりジュリはシンの事を気に入ってくれていた。鈍いシンでもその事には気付き始めた。
2人は風呂場から出ると寝室へと入って行く、その時ジュリの手はシンの手を離さず握っていた。




暗い室内の中、シャワーを浴び終えたミヤギが浴室から出て来る。彼がリビングに向かうと、自然と室内に明かりが灯される。身体をタオルで拭きながら自分の室内のリビングにあるソファーへと腰掛けて、缶ビールのフタを開けビールを軽く口にする。その時、リビングテーブルに置いてあるAIスピーカーが主人を感知して、拡張し「連絡待1件」と表示される。

「繋げてくれ」
「かしこまりました」


音声が響きパネルの画面が切り替わり、研究員の顔が現れる。

「ミヤギさん、今良いですか?」
「どうした?」

「事故現場周辺でちょっと、興味深い事を見付けましたので報告しようと思ったのです」
「どんな事だ?」

「はい。実は...事故があった現場の山岳部のすぐ近くにハイウェイがありまして、警察官達が検問を行っておりました。事故発生時から、約3時間程の間に貨物輸送車数十台。民間車両数台の確認が取れております。その中の1台の民間車両が1度走行を止めたかと思うと。法定外の速度でハイウェイを走り出て行ったのです」
「なるほど...興味深い話だ...。その車の所有者の確認は取れているか?」

「はい。既に確認済で、そちらにもデータを送信してあります。名前はオダ・シンと言います。後でデータに目を通して下さい」
「分かった」

ミヤギは研究員との電話を終えると。ディスプレイ・レスPCの画面を開き、ジェクスチャーで立体映像のページを切り替えて行く。何十通りもあるメッセージファイルを捲って行き、その1場面に研究員から送られたメッセージ画面を見付けて、その画面を拡大する。画面にはオダ・シンに付いての項目が書かれていた。

朝、シンは目を覚まして時計を見た。午前6時過ぎだった。
会社で作成中だったコンピューターの画像処理が残っているのを思い出し、出社前にやってしまおうと起き上がろうとする。ふと、その時、自分の寝ているベッドに何か物がある事に気付き、横を見ると自分の寝ているベッドにもう1つの黒い頭がある事に気付き、一瞬ギョッとした。しかし、それがジュリと自分が名付けたアンドロイドだった事をシンは思い出した。

眠っているジュリの顔を間近で見るシン。ジュリはスヤスヤと寝息を立てて眠っているようである。アンドロイドも寝るのか...と、シンは思った。
昨夜...と言うよりは、その日の真夜中に名前を与えた瞬間から、生まれ変わった様に多彩な感情を見せたジュリにシンは驚いていた。

(あれは、どう見ても人間だよな)


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