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黒の他人
【ラブコメ 官能小説】

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黒の他人<前編>-9

「……悪かったな?」

「え?」

「その、この前は寝込みを襲ったりしてさ……」

ふるふると首を横に振る加奈。
鼻から下は布団で隠されており、大きな目がじっと俺を見つめている。

「いいんだぜ?こういう時は怒っても……」

「……お、怒ってなんか……いません」

「どうしてだよ?こんなおっさんに処女奪われたんだぞ?」

「おっさんだなんて…… くすっ そんな事全然思ったことなかった」

くすくすとまた加奈が笑う。
美人さんだとは思っていたが、笑うと随分幼く見える。

「それに…… よかったですから」

「あ? そんなに気持ちよかったのか?」

「ち、違いますよっ その…… はじめてがあなたで……です」

加奈は少しだけ俺にその身を寄せた。

「俺でよかったって……なんだよ?どういう意味だそりゃ?」

「ん〜 よくわかりませんっ でも、ホントに…… あなたでよかった……」

噛みしめるようにそう言うと、手を俺の背中にまわして胸元へと顔を埋めてきた。

「ったく、お嬢様の考えることはよくわかんねぇな……」

「お、お嬢様じゃありませんっ」

「ってか、気持ちよかったってのは自分でも認めてた事だぞ?」

「うそっ?そんなこと私……」

「あん?だって、『気持ちよさげだったもんな?』って聞いたら『すいません』って……」

「そ、そんなの…… 覚えてませんっ」

覚えてないだなんて絶対嘘だ。
だって、相も変わらず耳がまた真っ赤になっているのだから。

「なぁ?そろそろ教えてくれよ……」

「な、何をですか?」

「初めてだったのに、あんなにも感じてくれてたカラクリをだよ……」

「そ、それはっ…… あ、ちょ…… んんっ」

俺はそう言いながら加奈の耳たぶを唇ではさんだ。

処女だったと言う事実は自己申告でしかないため信じるほかない。
けれど、処女でありながらあの敏感なまでの反応っぷりは、
さすがに少し説明つかなさすぎるだろう。

「……実は男いたんじゃねぇの?」

「い、いませんっ」

「その割にはえらく開発されてたじゃねぇか?」

「か、開発って…… やっ んんっ」

執拗なまでに加奈の耳を舐める俺。
オオカミが赤ずきんを食べたくなる気持ちがなんとなくわかる。


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