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そこにある愛
【コメディ 恋愛小説】

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そこにある愛-9

友達がどこそこの服を買ったと言えば真似してあたしも買おうとした。


でも、あたしが着れるサイズがなくて断念。


また別の友達が、男の子を紹介してもらって付き合うことになったと聞けば、あたしも誰かに男の子を紹介してと頼み込む。


でも、男の子サイドからはいつも丁重にお断りされてばかり。


外見を磨こうと頑張っても、恋愛したくて積極的になろうとしても、いつも空回りばかりだった。


あたしだって雑誌に載ってるような可愛い服着て、オシャレなカフェで、素敵な彼氏と楽しい語らいをしたいのに……。


それならせめて妄想で満足させようと、脳内でオシャレなカフェをイメージし、向かいに座るのは目を見張るようなイケメンをイメージするんだけど、頭に鮮明に浮かぶのは、なぜか元気と吉野家のカウンター席で牛丼大盛を二人でがっつく光景。


それが勝手に脳内で再生されてしまったあたしは、払拭すべく首を勢いよくブンブン横に振った。


アイツがいつもつきまとってくるから妄想の世界にまで邪魔しにくるんだ!


そんな望まないイメージをしたせいか、この先あたしに一生彼氏ができなくて、最後は元気と寄り添っていかなくてはいけないのかという不安がよぎる。


絶っっ対それだけは無理!


あたしは狂ったように頭をかきむしった。


女の子達が驚いたようにこちらをチラッと見たが、気付かないフリをした。


いやいや、あんなもっさり男じゃなく、いつかあたしの理想通りの王子様は必ず現れるはず……。


そう思いながら、冷めたコーヒーを一気に飲み干したその時だった。





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