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高校デビュー
【学園物 官能小説】

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第三話(行為あり/本番あり)-2

「馬鹿。こんなところで言うな」

「あ、そうですね…ごめんなさい…」

壁に耳あり障子に目あり。いくら変装しているからといっても、見破られないとは限らない。今の発言は迂闊だった。
もっと『アイドルの彼氏』としての自覚を持たなきゃダメだな。アイドル=処女というのが、周囲…少なくともファンの共通認識なんだろうし。
……ま、実際香澄さんはまだ処女のはずだけど。

「はっ!」

「どうした?」

しまったぁぁぁ!?セックスのことばっか考えていたせいで、今日のデートプランまったく考えてなかったぁぁぁ!?

「あの、香澄さん。僕、行き先とか決めてなかったんですよね…」

「そんな捨てられた子犬みたいな顔をするな。私のほうが年上なんだから、私に任せろ」

え、僕そんな顔してたのか…。
今さらだけど、香澄さんってリードしたがるタイプなのかな…僕がもっとしっかりしていれば…。

「では行くか」

   ***

香澄さんに連れてこられたのは、古ぼけた映画館だった。というよりミニシアターか?
ともかく他にも映画館はあるのに、なぜよりによってこんなボロい所を選んだんだろう。

「アニメ映画が見たくてな」

「えっ、アニメ!?」

つい反応してしまう。
アニメ映画といっても色々あるし、ぱんぴーでも見そうなのは『ドラグンホールV紙と髪』かな。

「ドラグンホールですか?」

「それも興味はあるが、今日は『アインズゲート絶対領域のデジャヴ』を見る」

「えぇぇ!?」

マニアックなものキター!
も、もしかして香澄さんってオタク…?いやいや、マニアックなアニメ映画を見たいってだけでそう決めるのは早すぎる。
それに、もし香澄さんがオタクだったらいくらなんでもご都合主義すぎる。

「私はあれに出てくるワンワンが好きなんだが、君は誰か好きなキャラはいるか?」

「えっと…」

下手にマニアックなキャラをあげないほうがいいな。ここは無難なキャラにしておくか。
オタク…元オタクだとバレないためにも。

「牧野栗っす」

「うん。彼女は今井さんがいい仕事をしているな」

今井さん…だと!?
牧野栗に声を当てている声優。それが今井美麻さんである。
香澄さん、声優まで知っているのか…。
ううむ。これはいよいよ怪しくなってきたぞ。


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