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夏のざわめき
【OL/お姉さん 官能小説】

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夏のざわめき-4

ここに来て、私はひとつおかしな事に気づいていた。
お囃子の音は止む事もなく響いているがこの杜では夜でも暗闇の中に無数の蝉が鳴き澱んでいる。

「こいさっ!こいさっ!」

突然、暗闇の中に数人の人影が踊り出してきた。
体格も背丈も様々だが、みな一概にサルの面をつけている。

普通なら、かなりびっくりするだろうけどお囃子と蝉の聲に心では祭りの一環のように感じられた。

「見るもの聞くもの申さぬか?」

母は張りのある声で毅然として男たちに言った。

「申さぬ、申さぬ…」

母は私の手を離すとその奇面を被った男と共に森の中に入っていく。

「こいさっ!こいさっ!」

別のサルたちがこぞって残された私を誘った。
私にはその趣向がなんとはなしに呑み込めたのだ。

ひとりのサルを選んで雑木林を少し下ったところにムシロが敷かれてあった。
今時の事だから昔ながらのムシロは敷いてあるものの、その下には銀色の断熱シートが月明かりを青く反射させていた。

そこに絡み合って崩れ落ちる。
横たえた浴衣の裾をはだけて分厚い手が太股を撫でた。

サルは面を取らず、手指だけでむせかえる私の体をまさぐった。
硬く勃起した乳首をこりこりと摘まれるとうっかり腰を踊らせてしまう私はここにいた頃から変わったのだと思えた。

この男がどこの誰だか分からない…
そうしてもう会う事もないだろう…
そういえば、昔こんな話を聞いた事がある。
中学の悪タレ共がどうやらこの祭りに乱入しようと企んでいたようだ。

彼らがここであの時、淡い夜を愉しんだのかどうかは知らない。
だけど、こんな身近にしてこうした風習を子供たちは知らなかったのだから、この田舎では本当にフリーセックスなのだ。

差し詰まって…私にはその血が流れているのか

蝉の聲は周りの木々をぐるりと囲み、サルがその面の下から吐き出す吐息へと混ざっていった。


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