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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州記 -一紺ガ女--8

しかし出られなかったのは、彼女の腕を一紺が掴んで、それを引き留めたからだった。
立ち上がろうとしたその瞬間だったため、彼女は軽く尻餅をつく。
「おい…ッ」
抗議の声を上げようとした竜胆の唇を一紺が塞いだ。
「や…」
後ろから抱きすくめられる。
同時に項に唇を落とされた。柔らかな耳朶を甘噛みして、一紺は囁く。
「せえへん…?」
竜胆は静かに頷いた。
とは言っても、此処で竜胆が首を横に振ったとて止めるような一紺ではなかったが。
一紺の掌が竜胆の双丘を掴み、揉みしだく。
さらしを巻いていなかったから、外す手間は省けた。
後ろからの激しい愛撫に身を捩る竜胆。
「勃ってんで」
「ひゃ…ッ」
屹立した先頭を摘ままれて、竜胆が声を上げる。
乱れた襟元をさらに寛げ、一紺は直に乳房を揉んだ。
「あ…、やぁ…ん!」
一層の甘い痺れが竜胆を襲う。
「そういう声、もっと聞きたいわ」
言って、一紺は着物の下に手を入れた。
ぐっしょりと塗れた感触。
「や…い…こ、んッ」
竜胆の反応を楽しみながら、一紺は手を引き抜いた。
その手を竜胆の目の前に持って来て言う。
「やらしいなあ、えらい濡れようや」
「言…う、なッ」
顔を上気させて竜胆は愛液に塗れた一紺の指を見やる。
なるほど、いやらしいと竜胆も認めざるを得なかった。
一紺はその指に口をつけ、愛液を舐め取る。
「や…ッ、おい、汚い…!」
一紺はわざと音を音を立てて己の指を舐める。
いくら秘所を舌で愛撫すると言っても…。
何の抵抗もなくすっかり舐め取った一紺が言った。
「美味いで?」
「ッ、馬鹿…」
後ろから再び耳を舌で弄ばれながら、やんわりと胸を捏ねられる。
「んくッ」
明らかに焦らしている。
竜胆が根負けするのが先か、それとも一紺の欲望が抑えられなくなるのが先か。

荒い息を吐きながら、訴えるような潤んだ瞳で背後の一紺を見やる竜胆。
「はぁ…ん…あッ」
耳朶やら指先やらを口付ける度に小さく跳ねる身体が何とも可愛い。
一紺は言った。
「…限界?」
その問いに何度も首を縦に振る竜胆。
耳元に唇を寄せ、一紺は囁いた。
「立ってや」
よろけながらも、竜胆は立ち上がる。
「あう!?…んッ!」
一紺はそんな彼女の身体を勢いよく壁に押し付けた。
竜胆が小さく呻くも、それは一紺の唇で塞がれた。
激しい口付け。
「あ、やあぁ…」
一紺は顔を下へと移動させる。
腹を辿り、秘所へ。すっかり濡れたそこへ舌を這わせる。
割れ目をなぞるように舐め上げると、竜胆が切なく鳴いた。
「あ、やぁあッ!!」
「ええ声やな」
揶喩するように一紺は言って再び口をつけた。
ぐちゅぐちゅと舌を抜き出しする度に愛液は溢れ、いやらしく音が響く。
陰核を舌で転がす度に声を上げる彼女が愛おしくて、本来ならばもっと喜ばせてやりたかったのだが、流石に自分の限界も近かった。
「や、んぁあああああ――ッ!!」
一紺が長い舌を突き入れ、指で陰核を弄ると 、竜胆は果てる。
息を荒げる彼女に、しかし休む暇も与えず一紺は言う。


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