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雨の中の再会
【初恋 恋愛小説】

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雨の中の再会-1

薄暗い雨が降頻る道で自転車のペダルを必死に漕いでいた。
俺は『武田 真』16歳 〇〇高校一年だ
今日もテスト前という事で、頭の悪い俺はいつものように補習をやらされていた…
今はやっと補習を終え家に帰る途中である。
時間は6時を回っていた。
学校を出た途端に雨が降り始めたのだ。
(雨が降るなんてついてねーな…)そんな事を考えながら突当たりを右折した瞬間、「!」俺は雨の所偽で派手にスリップしてコケた。
「ってぇ…」痛みで俺は暫く動けなかった。
激痛の走る左手を見ると、手の平を擦剥いていた。
「マジでついてねぇ」そう呟きながら立ち上がろうとした瞬間…
「大丈夫?」と澄んだ綺麗な声が背後から聞こえた。
俺は声のした方を向くと、そこには心配そうな顔をした女の子が傘を持ち、立っていた。
女の子は端正な顔立ちで、髪は腰辺りまで伸びている。身長は150位だろうか…まさに美少女という感じだ。
「え…あ、ああ」俺が答えると女の子は「はい」とポケットから可愛らしいハンカチを出し渡して来た。
「え?」
「手…怪我してる」
「ああ、大丈夫だよ」そう言うと女の子は困ったような顔で「でも…」と今にも泣き出しそうな顔で言った。
「分かった!借りるよ!」と仕方なくそのハンカチ受け取った。
そうするとその女の子の顔は笑顔になった。
「あ、取敢えずさ雨宿りしない?」このままだと風邪を引きそうだ。女の子は「うん」と頷いた。
そして近くの屋根の付いたバス停に来た。
俺は「ふぅ」と溜め息をついてバス停のベンチに腰掛けた。
ふと横を見ると、女の子がこっちを見詰めている。
俺の顔は次第に赤くなり始めた。
「な、何?」
「もしかして…真くん?」
「へ?」俺は間抜けな声を出した。
「武田 真くんでしょ?」女の子はもう一度聞く。
「どこかでお会いしました?」こんな美少女なら忘れないはずだ。
「私のこと、覚えて無いの?」
「う…いや」分からない。だが誰かに似ている気がする…
女の子は小さく溜め息をつくと言った「小学校の時一緒だった西村 葵」
「え!?」俺は驚いた。たしか葵は小学校を卒業して直ぐに親の仕事の都合とかで引っ越したのだ。
「だって引っ越したんじゃ…」
「昨日こっちに戻って来たの」
俺はさらに顔が赤くなった。葵は俺の初恋相手だったからだ。
だが小学校の時とはだいぶ違ったので分からなかった。
「驚いた?」葵が聞いてきた。
「全然分からなかったよ」
「でも真くんは小学校の時とあまり変わってないね」葵は笑いながら言った。
俺はある事に気ずいた。葵は俺の高校の制服を着ている。「その制服」
「あ、私明日から〇〇高校に通うの。今日はその手続きをしたの」やはり同じ学校だった。
それから暫く話をしていたら、雨は止んでいた。
「雨、止んだみたいだな」
「そうだね…」
「じゃあ俺そろそろ帰んねーと」
「うん、また明日ね」
その夜俺は暫く眠る事が出来なかった。
次の日いつものように俺は登校した。
葵は昨日俺と同じクラスだと話していた。
教室に担任が入って来る。「ほら!みんな座れー!」担任の声が教室に響く。
「突然だが、今日は転校生が来る」教室内がざわつく。
「入って来い」担任が言うと葵が教室に入って来る。
「西村 葵です。よろしくお願いします」男子が騒ぎ始める。当然だろう。
「おい!超カワイイ娘じゃねぇか」隣りの席の男子が言ってきた。
「ああ」と適当に答えた。


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