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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第三話-1

「一条楓に、会いに行く」
日向さんがヘソを取り戻した翌日の昼休み、俺は紅葉にそう告げた。
視力やヘソを厚意で奪っているのだとしても、俺たちに送られてくる挑戦的なメールが気に入らない。
しかし俺たちは『神様』のことを知らなさすぎるので、何かを知っている可能性のある一条楓に話を聞くしかないのだ。
「雲木が言ってたんだ。この学園で超能力を見たって」
「……神様が、超能力者……?」
「一条楓が言う神様かはわからないが、少なくとも俺たちにメールしてきた神様はそうだろうな」
雲木が言っていたように、超能力は存在するのだろう。物理的にならともかく、それ以外の方法で視力やヘソを奪うことなんて、普通の人間にはできない。


   ***


「日向さん」
本校2年5組の教室へ赴き、廊下から二人の女子生徒と楽しげに話している日向さんの名を呼んだ。
「あ、探偵くん!」
「ヘソフェチ委員長はいないみたいだな」
「うん。ダーリンは委員会だって。昨日のことで、色々揉めてるみたい」
日向さんと天之川は、あの後改めてお互いの気持ちを伝えあい、晴れて恋人同士になったのだった。まさか日向さんも天之川のことが好きだったなんて、予想外だったけれど。
しかし『ダーリン』ときたか。鬼の風紀委員長も形なしだな。
「それより、一条楓はまだ休んでる?」
「あ、うん。なんか懐かしいね〜。探偵くんが一条さんを訪ねてこなかったら、ダーリンとは付き合えなかったかもしれないわけだし」
日向さんは深々と頭を下げ、
「ありがとうございます」
改めてお礼を言った。
「一条さんが登校してきたら、連絡してあげよっか?」
「いや、いいよ。直接家に行ってみる」
「そっかそっか〜。ところで探偵くんは、どうしてそんなに一条さんのこと気にしてるの?」
日向さんはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべる。何か誤解をしてらっしゃる。
「モミリンって、探偵くんの彼女なんじゃないの?」
「モミリン……?」
なんだそれは。揉み上げ林太郎か。いや、誰だよそれ。
「えっと、ほら。お、ぐら?紅葉ちゃん」
なるほど。紅葉だからモミリンね。今度使ってみよう。
「紅葉とはそんなんじゃないよ」


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