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サノバ・ビッチ
【レイプ 官能小説】

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高橋との出会い-2



指定された居酒屋に行くと、約束の三十分以上前にもかかわらず、高橋は既にテーブル席でビールを飲んでいた。

こういう状況で遅刻は圧倒的に不利だ。
俺は慌てて高橋のそばに駆け寄った。

「あの………遅くなってすみません」

「おう来たんか。まぁ座り」

高橋は店員を呼んで、新しいビールと俺のぶんのグラスを注文すると、向かいの席に座るように促した。

いきなりどなりつけられるくらいの覚悟は出来ていたのだが、男の表情は昼間見たときより随分穏やかに見えた。

デパートから直接来たらしく、見覚えのあるスーツ姿だった。

「それ、どないしたんや」

「……えっ?」

「顔のキズや。まさか社長に斬りつけられたんとちゃうやろな?」

貫禄のある小太りの体型に銀縁の眼鏡。
こうして改めて見ると顔つきも優しげで一見柔和そうな人物に思えるが、その実はかなりのやり手だと聞いている。

「いえ、これは……自分で転んだだけです」

「ふぅん。転んだ……か。なるほどな」

全て見透かしたようにフッと笑う高橋の顔からは敵意や悪意は感じられず、俺はこの男の真意を読みかねて困惑した。

「あんた───川瀬くん、やったかな」

「────はい」

「女───好きなんか?」


「は……」

いきなり思いもよらぬ質問をされて俺は一瞬面食らった。

「女や女。───ま、男なら誰しもそういう欲求はあるもんやろうけどな」

そこまで言われて、高橋が麻理とのことを言っているのだと気がついた。


「いえ───俺は……女は……嫌いです」

俺は正直に答えた。
女も、麻理も、今は憎いとしか思わない。

その感情に嘘はつきたくなかった。

「ほう」

高橋が興味深そうに俺の顔を見る。

「女が、嫌いやのに───なんでまたあんなことしたんや」

別段俺を責めるような口調ではなく、俺の心情に純粋に興味があるらしかった。


「いや……むしろ……嫌い……だからです」

「嫌いやから?どういうことや?」

高橋は、俺の目をじっと見ながら身を乗り出してくる。

その表情からは、俺の失態につけ込んで無理な要求をしてやろうというような腹黒い雰囲気はまるで感じられない。

つかみどころのない高橋の態度に、どういう答え方をすれば有利なのかさっぱり見当がつかなかった。

この男には、変に駆け引きするよりも、俺自身が思っていることを正直に話したほうがいい。

直感的にそう感じた。


「俺────俺は、女を軽蔑してるんです」

「……軽蔑──か。……うん。……理由は?」

高橋は真剣な表情で、俺の言葉をゆっくりと繰り返した。


「それは……母親が……ろくでもない女だったんで……」

「ほう……お母さんが?───と、言うと?」

まるで古くからの知り合いの相談にでも乗るように、俺の話に一所懸命耳を傾ける高橋。

その誠実な雰囲気に引っぱられるように、俺は話し出した。

「俺が小学生の時に、父親が女作って出て行ったんです。───それ以来うちはずっと貧乏で……それで……母は……身体を売ってたんです。自宅に男を引き込んで」

こんな惨めな話を自分から人にするのは初めてだった。

どうしてそんな気になったのか、話しながら自分でも不思議だった。

「小学生の頃から、母親が何人もの男にヤられるのを見てきました。一度に何人もの男を相手にすることもあったし、客の趣味で変態じみたプレイをすることもありました」

自分の話している内容のあまりのおぞましさに吐きそうになりながらも、俺はもう自分を止めることができなかった。

長い間溜まっていた膿を搾り出すように、俺は思いを一気に吐き出していた。

「最初は生活のためだったと思うんです。……でも、だんだんそうじゃなくなって……母がみるみるうちに堕落していくのが、幼い俺でもわかりました」

「───うん」

高橋はグラスを置き、腕組みをして深く頷いた。

「母は───あの女は……男どものおもちゃにされることに喜びを感じるようになっていったんです。服装も、化粧も、だんだん男に媚びるためのものに変わっていきました」


話しながら感情がどんどん高ぶってくるのがわかる。

幼い頃に覗き見た母のなまめかしい姿がいくつも浮かんでは消えていく。

「……そしてしまいには……大学進学のために俺がバイトして貯めた金まで全部持って……若い男と逃げたんですよ」



──何が生活のためだ。
──何が息子を育てるためだ。

俺はずっと母の仕事を軽蔑しながらも、それは俺を育てるために、母が自分を犠牲にしてくれているのだと思っていた。

しかし現実は真逆で、俺は母とその客から、金と人生の全てを搾取されたのだ。

「母親を見ているうちに───俺は女が薄汚いものとしか思えなくなったんです」

「───うん……なるほどな」

「どんな真面目な女でも、どんなに上品なふりをしてる女でも、セックスすればただのメスですよ」


高橋は俺を否定するでも肯定するでもなく、有りのまま受け入れようとしてくれているように思えた。

「……だから俺は、女が生意気な口をきいたり、反抗的な態度をとれば力ずくでも屈服させてやるんです。あいつらが、愚かで低俗なメスだってことを、思い知らせてやるんだ!」

奥歯で何か苦いものを噛み潰してしまったような不快感に襲われ、俺は最後の言葉を乱暴に吐き捨てた。


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