投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 223 アンバランス×トリップ 225 アンバランス×トリップの最後へ

選択-14

「赤眼のカリオペとあろう奴が簡単に信用してんなよ?」

 スランは油断無くゼイン=ザルスを睨みつけながら、クインに合図してもう一度上に上がらせた。

「あいつが一度でも、お前を『カリオペ』と呼んだ事があったか?」

 スランの問いかけにカリーはハッとしてゼイン=ザルスを見る。
 そうだ、ゼインはカリーの本名が分かってからも『カリー』と呼んでいた。
 カリーが本名で呼ばれるのを嫌うのもあったが、ゼインにとってカリーはカリーなのだ。
 出会ったあの日、お互い新しく自分で付けた名前を……ゼインは大事にしていた。

「黒い鷹くんじゃないですか……生きてましたか」

 ゼイン=ザルスはダガーを離して、血を流す手の平をぺろりと舐める。
 血を舐め取られた手の平には、薄い切り跡が残るだけで傷はすっかり塞がっていた。

「報酬は現金でって決めてんだよな。小切手なんて信用できねぇ」

 スランは肩をすくめて答え、グシャグシャになった紙をゼイン=ザルスに投げる。
 茶色く変色したそれは、スランの鷹が最期に運んだ小切手。
 飛んできた紙はゼイン=ザルスの元に届く前に、空中でボッと炎をあげて消えた。
 暫し絡まる黒と乳白色の視線……先に動いたのはゼイン=ザルスだった。
 ザッと走ったゼイン=ザルスはスランに迫りながら腕を魔物に変える。

「おっとお」

 スランとエンは反対方向に飛び退き、2人が居た場所にゼイン=ザルスの腕が叩きつけられた。

ズガアァン

 もの凄い音と土煙があがり、石や土塊が飛んでくるのをスランは腕で防ぐ。
 その土煙の中から、ゼイン=ザルスがぶわっと現れた。

「くっ」

 スランはチッと舌打ちしてショートソードを抜こうと腰に手を当て、ギクリと固まる。

(カリオペに……!?)

 そういえば、さっきカリーが使ってそのままだった。
 しかし、ゼイン=ザルスはそんな事お構い無しに攻撃を繰り出してくる。

「わったっとっ」

 攻撃を紙一重で避けつつ、スランはダガーを放った。
 ゼイン=ザルスは驚異的なジャンプでそれを避け、スランを押し倒す。

「ぐはっ」

 背中から地面に叩きつけられ肺から空気が無くなり、スランは激しく咳き込んだ。

「ああ……良い顔です……ゾクゾクしますね」

 ゼイン=ザルスはスランに股がり、唇をぺろりと舐める。


アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 223 アンバランス×トリップ 225 アンバランス×トリップの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前