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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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 それから3日後、赤いドラゴンが密林に舞い降りた。

「ああ、多分ここだ」

 ドラゴンの上でケイは黄色い目を細めて地図を眺める。

 ファンから火の精霊アビィに乗って猛スピードで翔び続け、あり得ない日程でここまで辿り着いた。
 アビィにはケイ、キャラ、アースの3人が乗っている。
 肝心のアビィのパートナー、エンはというと……。

「げ……限界〜…」

 間の抜けた声と共にドラゴンがべしゃっと潰れる。
 慌ててドラゴンから離れた3人の目の前でドラゴンの身体が光に包まれた。

『キュウゥ〜…』

 光が消えると、そこには大の字で寝転んだ小さいアビィとエンの姿。

「はぁ……凄っごかったぁ〜」

『キュ』

 2人は息を切らしながらも満足そうに笑っている。
 実はこのコンビは人生初の完全共有なるものを体験したところだ。

 エンとアビィ、ケイとクインのような精霊と契約している精霊人は、パートナーの精霊と意識を共有して遠く離れてても会話が出来たり、相手が見聞きしているものを体感出来たりする。
 その間、相手がダメージを受けたりすると自分にも影響したりするのだが、その分ダメージが半減出来たりもするのだ。
 そして、共有の究極技が『完全共有』……意識だけでなく身体も共有する。
 おとぎ話に出てくる人魚や狼男などの半獣半人は、完全共有した精霊人の姿だ。

 普段は3人乗りのアビィだが、今回は4人。
 途中までは4人乗っていたのだが、どうにも進みが遅く効率が悪い。
 そこで、アビィとエンが完全共有をして定員オーバーをカバーしてみようという事になった。
 意識共有も問題なく、魔力の扱いも上手いエンが何故今まで完全共有をしなかったのかというと……完全共有後の姿を想像すると怖かったからだ。
 ドラゴンと人間の合体など怖いに決まっている。
 ドラゴンの身体に頭が人間とか、人間みたいな身体だが全身鱗だとか……どう見てもリザードマンだ。
 そこでエンはアビィがメインの完全共有に挑戦してみた。
 自分の魔力放出を最小限にして、アビィに吸収されるようなイメージ。
 その結果、巨大化したアビィは普段よりふた回りは大きく、赤い鱗も艶々で頑丈になり、翼も発達。
 身体能力も大幅アップして翔ぶスピードも倍以上。
 良い事づくめの完全共有となった。
 言っておくが、精霊人みんなが出来る事ではない。
 魔法使いとして最高ランクの魔導師であるエンだから出来た事だ。
 普通の魔法使いレベルの精霊人がこんな事したら、精霊に完全に吸収されて存在自体消滅してしまうだろう。


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