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恋する気持ち
【学園物 官能小説】

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恋する気持ち-12

静まり返る美術準備室に、阿川の荒い呼吸音だけが響く。
小さな肩は上下に大きく揺れていて、それは、阿川を襲った甘い衝撃の波がどれ程のものだったのかを物語っていた。

「…阿川、大丈夫?」
いや、お前をこんな状態にしたの俺なんだけど。
月並みな、当たり前の事しか言えない自分が情けない。
「――直樹」
「ん?」
「すごい…気持ち良かった。身体が、どうにかなっちゃうかと思うくらい…」
うつむいたまま、小声で阿川が告げる。

(やべっ、超嬉しい)
――でも。
俺の我慢は…限界に来ていた。

阿川と、ひとつになりたい。


机やら絵の具やらキャンバスやらが散らかる美術準備室の片隅には、誰が持ち込んだのか小さなソファーが無造作に置かれていて。
俺は、床に座りこんだままだった阿川を抱き抱え、そこへ静かに降ろす。

「…美術部に、生徒会の後輩の子がいるの。こんなこと、バレたらきっと怒られちゃうね」
隠れてするいたずらが楽しくてたまらない子供のような顔をして、阿川が笑った。
その、瞬間。

「――うわっ!?」

一瞬にして、俺の目に映る景色は180度回転した。
「…阿川?」
気がつけば、阿川に腕を引っ張られソファーに座りこんだ俺と、阿川の立ち位置が逆になっている。
「…直樹の目の中に、裸の胸をはだけて淫らな顔した私がいる。こんな女…嫌われるって思うと怖いのに、私、止められない…っ」

泣いているような声だった。
でも、涙は零れていなかった。
隠しきれない戸惑いと、抑えきれない欲望が混ぜ合わさって潤んだ阿川の瞳。
その真っ直ぐな視線に捕らえられた俺は、まるで金縛りにあってしまったかのように動けなくて。
さらりと長い髪が流れて、少し前屈みで自ら下着を足から引き抜いた阿川のその仕草を、ただ、固唾を飲んで見つめていた。

「直樹…」
俺の頬に、阿川の両手が届く。
少し冷たいその指は、しかし頭の中が沸騰しまくっている俺にはちょうどいいか…なんて思った刹那、再び、唇が重なった。
さっきよりもっと深くて熱くて、流れ込んできた阿川の唾液は甘くて。
「ん…っ、あが、わ…」

嫌われるって…俺が、お前を?
そんなこと、あるわけがない。
この七年間、俺がどれだけお前を好きだったと思ってるんだよ。
――ちゃんと、伝えるから。
この、激しくて切ない、夢のような時間が終わる前に。

「直樹…」
「――うぁ…あぁ…っ」
阿川の細い指が、いきり立つ俺の息子をズボンの上からそっと撫でた。
ただそれだけなのに。
窮屈な制服の中で暴発寸前まで膨らんだそこには、発射のトリガーを引いてしまうくらい危険な快感。
俺は、無我夢中でズボンとトランクスを引き下げた。


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