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kiss
【その他 官能小説】

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kiss-1

「凜ちゃん、おいで」
 研究室内の応接用のソファで休んでいた先生が、膝をぽんぽんと叩いて、本棚を整理するわたしを呼んだ。
 近寄ると、そっと抱き寄せられて、膝に座らされた。
「だめ、わたし、重たいよ」
すぐにでも降ろしてほしかった。和成先生に体重を知られたくない。好きな人に重いと思われたくなかった。
「平気だよ。それよりさ……」
彼はどこからか一冊の文庫本を取り出し、それをわたしに持たせた。
「38ページ、頭から声に出して読んでみて」
いかにも教師という感じの言い方だった。一瞬、国語の授業かと錯覚してしまう。丁寧で諭すような彼の口調が、わたしは好きだった。
言われたとおりに38ページを開き、声に出して読む。
「ああん、加藤部長の、大きいわ。もっと、もっと突いてぇ」
「だめだよ、そんな読み方じゃ。凜ちゃんは演技力に欠けるね。ほら、いつも感じてる時みたいに読んでごらん」
「ばか。何これ。何でこんなもの読ませるの?」
読まされた文庫本は官能小説だった。しかもどういう趣味なのか、上司と部下モノ。普通に声に出してしまって後悔した。
「いいでしょ?ほら、もう一度。上手に読めるまで、何度も練習させるからね」
彼は実に楽しそうにそう言うと、早く読むように急かした。
言われたとおり、もう一回声に出す。
「ああん!加藤部長の、大きいわ……!もっと、もっと突いてぇ!!」
「よくできました。凜ちゃんは声も色っぽいからね。感じるよ」
 後ろからぎゅうっと抱きすくめられた。わたしのお尻の下で、ペニスが堅くなり始めているのを感じた。彼はわたしの手から文庫本を取りあげ、適当な所に放ると、胸を揉んできた。
「音読はもういいの?」
「うん。欲しくなったから」
「男の人って、女の子にいやらしいこと言わせるの、好きだね」
「高岡さんにも、言わされるの?」
「うん……。」
「どんなこと?」
「祐介さんのちんちん、わたしのおまんこにぶち込んで、とか……。」
顔が熱くなっていくのがわかる。こんなこと、和成先生の前で言ったこと無い。
「へえ、高岡さんって、普段は真面目で紳士的なのに、本当は変態なんだね」
和成先生に 高岡さんとのセックスを見られているような気持ちになって、居た堪れなくなった。


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