投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

三叉路 〜three roads〜の最初へ 三叉路 〜three roads〜 139 三叉路 〜three roads〜 141 三叉路 〜three roads〜の最後へ

告白1-2

私が一番最後に改札口を通り抜ける頃には、人影はもうほとんどなかった。


初めて降りた、彼がいつも使っている駅。


私の住んでいる所も田舎だけど、ここはもっと田舎で寂れていた。


駅前はシャッターが閉まった店ばかりだし、街灯は少ないし、まだまだ寒いせいか歩いている人もほとんどいない。


小さな駅だからか車通りもほとんどなく、まだ夕方なのにやたら静かだった。


右も左もわからない私は、この街のあまりの活気の無さに急に不安になり、とにかくコンビニみたいな明るいお店が恋しくなった。


とりあえず駅前のロータリーを抜け、なるべく大通りを歩くことにしよう。


どうやって土橋くんに会おうか考えながら、人気のない大通りを歩く。


彼に電話をかけるしか方法はないのはわかっているけど、いきなり電話する勇気はなかなか出なくて。


彼にだって私の知らない生活スタイルがあるわけだから、もしかしたら友達と遊んでいるかもしれないし、何か用事があって会えない可能性だってある。


いろいろ考えているうちに、勢いだけでここまで来てしまったことを少し後悔した。


結局私はコンビニを探すまでの間にしたことと言えば、携帯に土橋くんの電話番号を表示させては消し、を繰り返しただけ。


駅から歩いてわりとすぐにコンビニは見つかった。


知らない土地でも、見慣れたコンビニの店構えを見つけるとホッとする。


安心して気が緩んだのか、自分が夕飯も食べずに家を飛び出してきたことにようやく気付き、お腹が盛大に鳴る。


とりあえず何か食べてから彼に電話しよう。


そう決めた私は、煌々と明るいコンビニの中へ入った。


店内はおでんのダシの煮詰まった匂いが充満していて、私のお腹の虫を刺激する。


体が暖まるし、おでんにしよう。


私はそう決断すると、とりあえずお茶のペットボトルをカゴに入れ、お菓子コーナーの前を通ってレジに並ぼうとした。


その時、ふとお菓子コーナーの前で立ち止まる。


彼と絶交した日、最後に一緒に食べたあのチョコレートが目に入った。


―――俺んちの近くのコンビニだよ。田舎だから結構売れ残ってたぞ。


以前、彼が私に得意気に話した言葉が蘇る。


もしかしたら、アイツの家ってここから近いのかな。


コンビニはここだけとは限らないのに、なぜか緊張してきた。


変にドキドキしながらも、このチョコレートのパッケージを見ると、ふと懐かしい気持ちもなぜか同時にこみ上げてくる。


あの頃みたいに笑い合いたい、そんなことを考えながら、私は気付いたらオマケ付きのチョコレートをカゴに入れていた。



三叉路 〜three roads〜の最初へ 三叉路 〜three roads〜 139 三叉路 〜three roads〜 141 三叉路 〜three roads〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前