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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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告白1-1

二両編成の電車は仕事が終わる時間帯なのか、わりとサラリーマンの姿が多かった。


あとは部活帰りと思われるジャージ姿の高校生や、遊び終えて帰る若者、デートの最中のカップルなんかがまばらに座っていたり、吊革に掴まっていたり。


やたら揺れる電車に慣れていない私は、時折バランスを崩しそうになりながら、ドアの端に立って流れる景色を見ていた。


西の空はもう夜に染まりかけていて、太陽がだいぶ低い位置にある。


だいぶ日が長くなってきたとは言え、この分だときっと目的地に着く頃には真っ暗になっているかもしれない。


紺色のコートに身を包んだ私は、ポケットの中に入っている箱をそっと握った。


土橋くんに会いに行くことに迷いはもうなかった。


ただ、生まれて初めて好きな人に告白すると言うことを想像すると、自然に膝が震えてくる。


世の中の大抵のカップルは、この“告白”という儀式を済ませてきたのかな。


私は視界の隅で、吊革に掴まりながら小声で楽しそうに話しているカップルを窓越しにチラリと盗み見た。


窓越しに映るカップルを見ていたら、ふと大山くんの顔が頭によぎった。


彼だって勝率はかなり低かったのに、頑張って沙織に告白したのだ。


当たって砕けるつもりの告白も、結果は大逆転、今では誰もが認めるとても仲のいいカップルとなった。


私はどうだろう。


前評判の低かった大山くんが告白が成功したように、“修は桃子が好き”と言う郁美の予想を裏切りはっきり振られる可能性だってあるのだ。


いや、むしろ振られる確率の方が高い。


彼の性格を考えたら、郁美と別れてすぐ気持ちを切り替えられるとは思えない。


考えれば考えるほど悪い方向に転がり落ちて、やっぱり戻ろうかな、と弱腰な自分が顔を出す。


振られるつもりで告白しようとしていたさっきまでの自分はどこにいったんだか。


さっきまでの勢いはすっかり消え、迷いで頭がいっぱいになった頃、目的の駅名を告げるアナウンスが流れ、電車が止まると、私はサラリーマン達の流れに押し出されるようにホームに降り立った。




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