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こいの毒
【青春 恋愛小説】

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こいの毒-3

『ゆう君へ
ゆう君と出会えたこと、仲良くなれたこと、バンドを組んだこと、全部大切な思い出だよ。一緒に文化祭という目標を目指して頑張れたこと、私はすごく嬉しいよ。ゆう君も最高のギター披露してよね?期待してるよ!!    希保』

何があっても気持ちは伝えない。その代わり、私は全てをドラムにぶつけることにした。気付いてくれるなら気付いてくれていい、そばにいられるのは明日で最後なのだから。




文化祭当日。私達は昨日よりも良い演奏をすることができた。たくさんの拍手を浴びながら、私達の青春は幕を閉じた。

「希保!!」

楽器をトラックに積んでいると、ゆう君が私の所へやってきた。

「お疲れ、どうしたの?」

するとゆう君は“あの時”のようにニッコリと微笑みながら言った。

「ありがとう。お前のおかげで最高の文化祭になったよ。もうこれで解散だけどまたいつか一緒に演奏しような!」

私はポロポロと涙が溢れてきた。けれどさよならの涙じゃない、嬉し涙でもない、またね…の涙。だから笑顔で答えることができた。

「バイバイ!!」
それ以来、校内でも会わなくなり結局そのまま卒業してしまった。けれど彼は私に最高の思い出をくれた。だから“好き”という気持ちが“大切な仲間”に変化したのだと思う。辛いこともたくさんあったけれど、決して悪くはなかった青春時代…だから、ゆう君。本当にありがとう。




そして今日も私はお客のために演奏をする。聴き入っている人もいれば、全く聞いていない人もいる。それでもいい。自分の楽しみのために演奏しているのだから。そして、いつ彼が来ても一緒にできるように、私はこれからもドラムを演奏し続ける。


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