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夏色トライアングル
【学園物 官能小説】

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三角の真実-1

「明莉、とりあえず、服を着てくれ。目のやり場に困る……。」
「あっ……!」
私は気が動転していたから、全裸のまま隆太に抱きついていた。恥ずかしさに頬が紅潮してしまう。
隆太が後ろを向いてくれている間に、そこら中に散らばっている衣類をかき集める。
服を着たら、なんだか気持ちが落ち着いた。

「隆太、大丈夫だよ。」
隆太は振り向いた。
「ってゆーか、隆太は何でここに?」
「あー…、忘れ物したんだよね。課題。逆に、忘れてよかった。まさか、こんなことになってるなんて…。」
さっき起こったことが蘇り、二人はうつむいた。

「どうして……?圭一はあんなことをする人だとは、思わなかった……。」
「……我慢できなくなったのかもしれないな。」
「……え?」
「あいつ、明莉のこと大好きなんだよ。俺と居るときもさ、いつも、明莉のことばっかり話してくるんだ。」
「……そう、だったの……。」
私にとって、圭一は友達でしかない。

「なぁ、明莉。」
「なに?隆太。」
隆太はなかなか話を切り出せないでいる。一体、どうしたんだろう。
「もし、俺が……」
「うん。」

「もし俺がお前のこと好きだったらどうする?」

「えっ……。」

隆太の顔は真剣そのものだった。
今まで感じたことのない雰囲気が私たちを包み込む。
気持ちは空間を伝染して伝わる。
隆太は、私のこと……

「俺……明莉をもうこんな目に合わせたくないんだ…。だから……」
私は隆太の言葉を遮って抱きついた。

「隆太、大好き。」

隆太も、私を抱きしめ返す。
「俺も、好きだ…明莉。俺がお前を守るから……。」

嬉しくて、恥ずかしくて、でもやっぱり嬉しくて。
さっき起きたことを、隆太が少しずつ忘れさせてくれる。
隆太の温もりは、とても優しかった。


二人で下校し、別れた後。
隆太は、すぐに携帯を取り出し、コールする。

「もしもし。」
「上手くいったか?」
「ああ。計画通りだよ。」
「そうか。よかった。じゃ、俺準備に忙しいから。ありがとな、隆太。」
「おう。元気でな。」

通話を終えて、隆太は一呼吸置いて、呟く。

「本当にこれでよかったのか?圭一……。」


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