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幼なじみ
【幼馴染 恋愛小説】

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osananazimi-1

青空に浮かぶは
綿菓子のような雲

三年前
公園で彼と一緒に空を眺めた
私は指を指して
空へ向かい口を開く

ソフトクリーム
肉まん
ショートケーキ
バナナ

色々な形に姿を変えて
雲たちは自由に流れていく

食いもんばっかじゃん

笑いながら
彼はその大きな手で
私の頭をぐしゃぐしゃにする

やめてよ

って怒るけど
そんな掛け合いが幸せで
私はついニヤける

彼の暖かい手
温もりを感じて


いつの日か
別れが来る

あの掛け合いは
もう他の人とのもので
あの手の温もりは
もう他の人のもので

それでも私は今も
空を眺めて
雲を目で追って
その景色は涙で歪んでいるけれど
指を指して
あの公園で

彼は隣に居ないけど
三年前と同じように
空へ向かって

チョコレート
マフィン
ホットドッグ
林檎

食いもんばっかじゃん

って
聞こえた気がして

早く頭をぐしゃぐしゃにしてよ
大きな暖かい手で
私の頭をぐしゃぐしゃにしてよ
私が馬鹿するから
私が馬鹿言うから
ツッコんでよ

三年も経つのに
時間は何も解決してくれない
残酷なほどに
私は彼に浮かれていて

それでも
景色が歪んでも
雲たちは自由に流れていく
私は指を指して…

アンパン
食パン
カレーパーン
ジャムバタチーズ
ランランラーン


アンパンマンかよっ


私の頭に誰かの手が乗り
ぐしゃぐしゃにする

泣きべその私は
振り向くまでもなく

元気もりもり!アンパンマン!

やかましっ!


彼が――

何でここに居るか
私は分からないけれど


彼のツッコミが

やっぱり大好き




by.Hanako


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