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バレンタインのご褒美
【OL/お姉さん 官能小説】

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バレンタインのご褒美-2

「お先。ありがとね」

数十分後、彼女は濡れた髪に白いワイシャツ姿で戻ってきた。
照明を少し落としておいたけれど、ノーブラ、ノーパンなのがわかる。
裾から出たほっそりとした白い足も艶かしくて、不甲斐ないムスコはそれだけで反応してしまう。

「風邪ひきますよ、ちゃんと髪乾かしてください。ビール足らなければ冷蔵庫にまだありますし、寒かったら先にベッド入ってて下さい」

ドライヤーを渡して今度は自分がバスルームへ向かう。
出てきたらいない、なんてことはないだろう。
それでも普段は感じられない、彼女の残り香を感じながら手早くシャワーをすませ、腰にバスタオルを巻き付けて部屋に戻ると彼女は煙草を吸っていた。
その横顔はタクシーの中で見たのと同じ、どこか所在なさげで。
今すぐ触れなければどこかに消えてしまいそうな儚さ。

「秋月さん、ベッド行きましょ?」

声をかけると、いつもの表情に戻る。

「村上は一服しないでいいの?」

「煙草より秋月さんが欲しいです」

オレの言葉に苦笑いしながら煙草の火を消す。

「村上、アンタどんだけ飢えてるのよ」

「今すぐ秋月さん押し倒したいくらい飢えてます。っていうかエレベーターの中からずっと我慢してたし」

いや、正確にはもっとだ。
自分の本当の気持ちに気づいて、学生時代から付き合ってたコと別れる少し前からだから。
かれこれ2年近くになるだろうか。
部署が変わって会えなくなってもつい秋月さんの姿を探してしまうほど。

「そっか。じゃあ、する?」

立ち上がった秋月さんが背伸びをしてオレにキスをした。
重なった柔らかい唇に、理性が飛ぶ。
秋月さんの細い腰を半ば強引に抱き寄せて壁際に追い詰めると荒々しいキスで返す。

「ちょっ、苦しっ」

上手く呼吸ができなくなった彼女が、オレの胸を叩いて抗議する。
そう訴えた目はうっすら涙目。
オレは無言で少し屈むと彼女の膝に腕を通して抱き上げる。

「む、村上っ。重いって。自分で歩けるからっ」

エレベーターの中と同じように慌てる秋月さん。

「重たくないですから、暴れないで下さい。落っことしますよ?」

そのままベッドまで運んで下ろすと同時に覆い被さる。

「村上…」

「せめてベッドの中だけでも名前で呼んで?」

頬を真っ赤に染めて困ったような表情の彼女が愛しくて仕方ない。

「か、和馬…」

「小春…ずっとこうしたかった…」

「え?あっ」

シャツの上から彼女の双丘に手をかける。
程よい膨らみと弾力。
頂上の蕾はすでに硬く自己主張している。

「小春のココ、もう硬くなってる」

「んっ」

恥ずかしそうに顔を背けるから、もう片方の手で顎を掴んでこちらを向かせ、唇を塞ぐ。
抵抗されないことをいいことに、彼女の唇を味わいつくし、そのまま首筋に唇を這わせる。

「キスマークつけたい、って言ったら怒る?」

引かれるか、断られるか。
でも返ってきたのは思いがけない返事。


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