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ある昏睡患者?の独白
【コメディ 官能小説】

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口内洗浄-1

次の日、チエミは口内洗浄をしてくれた。口の中は汚れているので細菌が増殖するのだそうだ。
だから口の中をジェル状の洗浄薬で洗ってくれる。何も食べてないと口の中が乾いて細菌に侵されやすくなるのだ。
歯も隅々まで磨いてくれて、本当にチエミには感謝する。
チエミはいつも話しかけてくれる。話しかけながらケアをしてくれる。
体のマッサージも専門の人もたまにやってくれるが、殆どはチエミがしてくれる。
特に筋肉が硬くならないように関節の曲げ伸ばしなど根気よくやりながら語りかけてくれる。
「おじさん、流動食の中に元気の出る成分を加えておいたからね。昨日は随分溜まってるものを出しちゃったから、精力をまたつけないとね。今日は憧れのおじさんに私のファースト・キスを捧げるね。
心配しないで、昨日『男性をあなたの虜にするキスの48のテクニック』という本を読んできたから。婦人雑誌の別冊付録なんだけどね。
それで、アイスクリームを買って来てそれで練習してきたよ。ちょっと張り切りすぎて舌の感覚がなくなっちゃたけどね。
ちょっ……ちょっと待ってね。いま売店で買ってきたアイスクリームで軽く予行演習をするから」
おいおい、勤務中にアイスを舐め始めてるぞ。なんかそんな気配がする。キスの練習をアイスクリームでやるなんて初めて聞いたぞ。
それもその別冊付録に書いてあったのか? もしかしてその出版社とアイスクリームの会社が手を組んでいるんじゃないのか?
「あっ、ごめんね、すっかり待たせてしまって。アイスを余すと勿体ないから。じゃあ、最初は軽く重ねるよ。うわーぁ、どきどきする」
フェラをためらいなくやった人間がキスでどきどきしてどうするんだ?うっ、つ……冷たい! 
ひんやりして、この温度差がたまらない。他人とキスしてるって凄く実感する。うわー、なんか体がプルプルって震えたぞ。
「あっ、おじさん。感じてくれたのね。今ちょっと体が震えたよ。じゃあ、今度は48のテクニックね。えーっと、ちょっと脇に本を置いて見ながらするけど許してね」
ぎょぎょぎょ……教科書を見ながらキスするんかい?お前は。うわぁ……唇で唇を挟んだり、舌先で舐めたり、歯で噛んだり……色々あるなあ。
こういうの学校では習わなかったからなぁ。こりゃ、鼻の頭にもキスするんかい?
うわーーぁぁ、首筋に鼻息かけられながら、唇を滑らすのって……きゃーぁやめて。こら、どっから声だしてんだよ? 鼻にかけて声を漏らしながら、また唇に戻ってきた。
うわぁ……ぞくぞくして来た。
「むふぅぅ……おじさん、とっても反応良いよ。私もおじさんがじっとやらせてくれてるし、緊張しないでできるから、うまく行ってるよ。
じゃあ、今度は舌をいれるね。ちょっと歯で噛むかもしれないよ」
おおお……冷たくて甘いアイス漬けのベロがベロンチョとお口に入ってきたよ。うわーーぁぁ、実に久しぶりの味覚だ。
甘くて冷たいアイスのバニラの香りだぞ。それにチエミの怪しげなベロの妖艶な動きだ!
うわーあ、これがお前のファースト・キッス?? 20数年溜め込んだキスへの思いが過剰に詰め込まれているんじゃねぇ? 
ああぁぁ俺の下半身がついに頭をもたげてきたぞ。
 


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