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It's
【ラブコメ 官能小説】

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-3

「はぁ…ぁ…んっ…」
湊は肩で息をする陽向の唇に自分のそれを重ね、味わいつくすように舌を絡めた。
空いた隙間から、まだ息の整わない陽向の吐息が漏れる。
「んぅ…ぁ…は…」
繋がったまま陽向を抱き上げて、今度は湊が仰向けになる。
「湊…」
半ばうわ言のように陽向は呟き、仰向けになった湊にしがみついた。
湊は陽向を抱き締めると、ゆったりと腰を動かした。
「あ…あぅ…」
イったばかりなのに、中はまだ湊を締め付けて離そうとしない。
キツい刺激が心地よい。
「陽向…」
優しく囁かれ、唇を奪われる。
湊は陽向の尻を掴んで、奥深くまで突いた。
「いぁぁ…やっ…あっ!」
「っあ…は」
「んっ…あっ…」
一番感じるところを把握されている。
またイってしまう…。
「湊…イっちゃう…から……ぁっ」
「イきな…」
「も…ダメ…はぁ…あんっ…」
ぎゅっと中が湊を締め付ける。
最大に膨らんだものが恐ろしいほど気持ちいい。
湊の手がクリトリスに触れる。
「んんっ!あぁぅ……あっ…」
絶頂の波に飲み込まれそうになった時、中からスッと引き抜かれ、再び仰向けにさせられた。
抱き締められ、湊のものが打ち付けられる。
「…んっ…あ」
「はぁ…あぁ…湊…」
湊は汗が滲んだ陽向のおでこにキスをした後、激しく舌を絡め、吸い上げた。
「あ…は…やべ……イく…」
「あたしも…イっちゃうっ……」
「あっ……っく」
陽向の最後の声は小さかった。
痙攣が止まらない。
抜き去ると同時に白い液体が陽向の胸に飛び出した。

荒い息をつき、目を閉じたまま陽向はしばらく動けなかった。
湊がティッシュで綺麗に拭いてくれたことも、意識が朦朧として気付かなかった。
ウトウトしていると、温かいものに包まれた。
「陽向」
「…はい」
「なんだその返事」
湊は笑って陽向のほっぺたをいじった。
うっすらと目を開けると、目の前に整った顔が広がった。
「お前イくの早すぎ」
「だって…」
気持ちよかったんだもん…。
「湊…」
大好き…。
って言いたかったけど、眠気に言葉を奪われる。
「服着るぞ」
湊の声は陽向に半分も届いていなかった。
急速に深い眠りへと誘われていく…。
湊は困ったように笑うと、時間をかけて陽向に部屋着を着せた。
幸せそうに眠っている。
世話の焼けるやつだ。
「…何でこんな可愛いの?お前」
湊のその言葉は陽向には届いていなかった。

翌朝は快晴だった。
カーテン越しに暖かな陽が射し込んでいる。
陽向はまだ絶賛爆睡中だ。
半開きの口からちょこんと出る小さな前歯が可愛らしい。
ほっぺたをつねっても、前から抱き締めても、微動だにしない。
昨日のセックスで疲れ果てたのだろう。
攻めすぎたかな…と少し思ったが、気持ち良さそうにする陽向の表情や声に興奮せずにはいられなかった。
思い出すだけで、ムラムラする…。
「湊…」
起きたのか、腕の中で陽向の掠れた声がする。
「ん?」
虚ろな眼差しで湊をとらえる。
あまりにも眠そうな顔をしているので、笑ってしまった。
「起きた?」
「あ…今…なん……」
陽向は何かを言いかけてまたスヤスヤと眠り始めた。
寝言か。
バカっぽくて、でもなんだか可愛くて、自然と顔が綻ぶ。
ぎゅっと陽向を抱きしめる。
陽向は他の女より一回り小さくて華奢だ。
体重も40キロあるのかないのか分からない。
でも、飲み会の時以外はよく食べる。
大好物は、オムライスときゅうり。
ライブでは元気にはしゃぎ回り、そしていつでもよく眠る。
寝相はすこぶる良い。
見られるとドキッとするような黒目がちのクリクリした目。
寒いとすぐ真っ赤になる小さな鼻。
笑うとキュッと上がる口角。
薄くてちょっとだけアヒルみたいな唇。
少し掠れた高い声。
飲むとすぐにスナックのママみたいな声になる。
そして、一瞬で幸せになってしまう太陽みたいな笑顔…。
たった二ヶ月で、色んな陽向を知った。
でもきっと、まだまだ知らないところがたくさんある。
四次元ポケットのような計り知れない人間だと思う。
陽向は何を考え、何を思い毎日を過ごしているのだろうか…。
素直すぎる彼女は、きっと本能のままに生きているのだろう。
図書室で「好き」と言われたあの日、湊は机に突っ伏す陽向を横目に、彼女が作った詞を読んでいた。
タイトルは書かれておらず、全部英語で詞が書かれていた。
いつかできるのだろうと思っていたが、この間のライブでも演奏していなかった。
湊は密かに楽しみにしていた。
自分が好きなフレーズが書かれていたから。
いつか、演ってくれるかな。


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