投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 138 アンバランス×トリップ 140 アンバランス×トリップの最後へ

自己嫌悪-3

「ほい。掛けときな」

 ケイはブランケットを持ってきてポロの肩に掛けてやった。
 すると、ポロがピクリと反応してちょっと爪先立ちになる。

〈……あ……〉

「お。帰ってきた?」

 ポロの視線を追いかけると、道の遥か向こう側に人影が見えた。
 向こうもこっちに気づいたらしく、大きく手を振っている。

〈カリー!ゼイン!〉

 まだ遥か遠いのにポロは待ちきれずに走り出した。
 肩に掛けたばかりのブランケットが落ちて風に煽られる。

「あ、ポロっ」

『ククッ(僕が行く)』

 慌てて追いかけようとしたケイの肩からクインが飛び出す。
 ケイは足をゆるめてブランケットを拾うと、両手を腰に当ててポロの後ろ姿を眺めた。
 必死に走る様子がとても可愛らしく、微笑ましい。

(やっぱまだ子供だな)

 性経験が豊富で年齢的にも大人だが、子供らしい事をしていないのでちょっとした所が幼い。
 さしずめ今は、迷子になっていたら両親が迎えに来た、といった感じだ。

「ポ〜ロ〜!ただいまぁっ」

 ポロと同じく走ってきたカリーは、ポロをガシッと抱き締める。
 街を歩く人々も2人の様子に笑みを浮かべていた。

〈おかえりなさい。怪我は無い?お腹は空いてる?それとも、お風呂が先?〉

 ぐりぐりと擦り寄るカリーに、ポロはもみくちゃにされながらもまくし立てる。
 但し、一方通行。

「おかえり、怪我は無いかってさ」

 のんびり歩いて来たケイがポロの言葉を一部通訳すると、カリーはキョトンとした表情を見せた。

「何か俺にはポロの声が聞こえるみたいだ」

「へぇ〜」

 事情を説明するとカリーは笑顔でポロの顔を覗く。

「良かったねぇ、ポロ」

 意志の疎通が出来るのは良い事だ、とカリーはポロの頭を撫でた。

〈はい〉

(ふぅん)

 別れる前よりポロの表情が明るい。
 カリーは少し視線を上げてケイを見た。
 平凡な家庭の平和ボケした男にしか見えないが、ポロの心を解すにはこういう人間の方が良いのかもしれない。


アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 138 アンバランス×トリップ 140 アンバランス×トリップの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前