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甘い時間
【熟女/人妻 官能小説】

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甘い時間-1

目覚まし時計代わりの携帯電話が耳障りな機械音をたてる。私は毛の短く柔かな絨毯の上を幼子の遊戯の様な軽い足取りで駆け、サイドボードに置かれた携帯電を手に取ろうとした。
その一瞬の差――。
君は赤子の様な甘えた笑みを携え、そのけたたましく鳴る携帯電話を手に取り私を見つめる。
「そんなに、気を使わなくってもいーのにぃ」
君は携帯電話を沈黙させ、体を起こし寝台の端に座る私の腰を抱く。
「昨日イッパイしたから、ほとんど寝てないじゃないの。大丈夫??」
私は君のその胸に抱かれながら、甘えた声で訪ねる。
君は私の耳元で「大丈夫」とだけ囁き、そのまだ少年の様な腕で私を抱きしめる。
普段、冷静で大人びた仕草を常としている君からは想像出来ない甘えたその仕草は、私に君の周囲に群がる女性達に対する優越感を授けてくれる。君の腕に身を任せ、私は座り直しながら君の唇を優しく吸う。
君は私に答える様に、舌を唇に這わし愛撫する。時折、君の無精髭が私の頬を撫であげ、その鈍い痛みが一種の快楽となり、愛撫するぎこちない手つきと共に私を淫欲の沼に引きずり込ませる。

私は三十路を少し越えたばかりで文筆業を営んでいる。それなりの世間の評価と社会的な地位。そして、私の仕事を深く理解し、私に協力する夫。
しかし、私自身に付き纏うつまらない公私における対人関係。夫の両親から押し付けられる封建的思想。
エルメスやヴィトンのバックを携え、ヨウジやアルマーニで武装したって、それらの弊害から見を守り切れない現実。
だから、十歳近く年の離れた君に出会い、その瞬間に恋に落ちた。
君は私をどう思っているのだろうか??只の大人の恋のまね事の相手だけなのだろうか??
私は快楽の沼の淵を爪先立ちで踏込み、甘い果実に中毒的な味を楽しみ始めた。

突然、部屋の中央のテーブルに置かれた私の携帯電話が甘い空気を引き裂き、鳴り出す。
「仕事???」
「……わかんない」
私は素早く立ち上がり、僅かに乱れたバスローブの襟を直しながら携帯電話を取る。
酷く慌てた様子の編集者が撒くし立てる。しかし私は淡々と感情を表さずに話を続け、愛しい君を見つめる。
君は寝台の下にだらしなく落ちたバスローブを拾い上げ、その華奢で美しくが雄々しくもある体に纏わせる。
そして、私の背後に回り、私を抱きしめる。私は君の私を抱くその手を愛おしく愛撫しながら、つまらない編集者の話に耳を傾け、君の愛撫で快楽の沼地をさまいながらも編集者との会話に相槌を私は打つ。
やがて身体は熱を帯びるが、声は冷静さを失わない私に業を煮やした君はバスローブの合わせ目から手を忍ばせる。
「っあ……。」
私はいきなり、しっとりと淫らな湿り気を携えている秘所を指でまさぐられ甘い吐息を吐く。
『どうされました??』
編集者は会話を突然遮る何かを含んだ声にいぶかしむ。
「あっ、ごめんなさい。お茶こぼしちゃって……」
私は取ってつけたような言い訳をして、私の尻の割れ目に添わされている君の充血した肉棒を空いた手で扱き上げる。
これは、君へのちょっとした体罰だが、君は嬉しそうにバスローブの合わせ目から突き出した淫茎を私に突き出して来る。私は酷くそんな君が可愛らしく感じられ、更に淫茎を強く握り締め、より激しく扱き上げた。
「あふっ……。あぁっっ………くふぅん」
少女の様な甘い吐息を君は発し、君は私の襟元から手を忍ばせ、乳房を揉みほぐし、乳首を指先で転がす。
その普段君が発する低く落ち着いた心地好い声から想像出来ない、甘えた切ない声を聞き続けるうちに私は耐えきれなくなり君に私の身体の全てを委ねる。
快楽の沼に身を沈ませた私はイライラしながら、編集者との会話を終わらす糸口を探し始める。


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