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ある盗撮犯の独白
【ホラー 官能小説】

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ある盗撮犯の独白-1

ワイは盗撮マニアなんや。あっ……これもちろん秘密やで。
しかもワイはミニスカートの中を写すのが専門や。
やり方は単純やで。ミニの姉ちゃんの後ろについてってエスカレーターで携帯カメラでチョンと写すのよ。
ワイはもう何十年もやってるけどなぁ、捕まったことないんよ。
まあ、どんな奴も捕まるまでは、捕まったことないんやけどね。
ワイがサツに捕まらないのは、実は理由があるんよ。
実はワイはなぁ、小さい頃から人の悪意っていうのかな?それがわかるんよ。
ワイのことを嫌ったり憎んだり虐めてやろうとする奴がいたら、そいつらの視線がワイの体に突き刺さるんよ。
すると、ほら虫眼鏡で太陽の光を集めて皮膚に当てたみたいに、チリチリと熱くなるんよ。
だから、そういう時はそいつらの視線が届かないところに避難するんや。
で、サツの捜査員の皆はんは、悪意というのとはちゃうけど、ワイを憎んで捕まえようとするとき、そういう目でわいを見るからわかるんや。
こいつ、もしかしたら盗撮魔とちゃうんかなと、相手が怪しんだだけで、全身を刺すような視線が感じられるんや。
それも、それが最初は1人分だけど、次々に捜査員が集まって視線が増えて来るんや。
だからワイはそういう視線を感じないように行動するようにしてるから、だんだん怪しまれずに盗撮できるようになったんよ。
でもなあ、そのコツをここで披露する訳にはいきまへんのや。堪忍してや。
例えば同じ場所にいつまでもうろうろしないこととか、狙うターゲットを絞り過ぎないこととか……そんなことここで披露すれば、犯罪の促進になるやないかってね。
悪いことするのはワイ一人でたくさんなんよ。
ワイにも良心のかけらはあるんや。
そもそもワイがこんなんなったんは、小さい時から他人の悪意ばっかり受けてきたからや。
人のせいにするのは良いことやないけどなぁ、わいは善意とか愛情はわかんないんよ。
悪意だけや。悪意とか攻撃とかそういう視線しか感じないんよ。
だからなぁ、いまだにわいは独りモンや。
どんなに良い人がいても、長く付き合ってるうちに、ワイに対してイラッとくることがあるやろう?
ワイはそれが怖いんや。
それに悪意が感じないからって、ワイのことを好きかどうかもわからない。
ああ、なんか人生相談みたいになってしもうたなぁ。
また盗撮のことに話しは戻させてもらいますわ。
ワイはデパートとかはデパ地下から始めるんや。
さっと食品売り場を見回りながら、ターゲットがエスカレーターに近づく距離とスピードを測るんや。
そして携帯のカメラを写せる様にして電話で喋る真似をするんや。内容はトラブルが良いなあ。
母ちゃんに買い物を頼まれたんやけど、そんなものどこの売り場にも売ってないとか文句を言ってる場面とか、ストーリーを作るんや。
そしてワイもごく自然にそのターゲットの背後につくんや。
そして話をいったん終えてまたかけるとか言って切ってポケットに仕舞う動作をするんや。
その時に一回だけ盗撮するんやなぁ。たった1回だけや。
それが成功する為には模擬練習を何百回もしてるから、自然な動作なんや。
もちろん周囲に捜査員や、一般人でも怪しむ人間がいれば中止にする。
ターゲット自身が怪しんでも中止や。そういうこともたまにある。
わいはデパ地下から屋上まで各階に降りて同じ方法で常に動くようにしてエスカレーターに乗った数だけ盗撮をするんや。
ワイはそれを同じ場所ではやらないんよ。場所を移すんや。
欲張らないことが安全な盗撮のコツや。
ああ、こういうのも犯罪の促進になるんやなぁ。あかん、あかん。

 


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