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偽りの空
【SF その他小説】

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偽りの空-5

 「よ〜ぅ、バンパイア〜」
 何か悪い予感を覚えながらも、俺は声のした方を振り向いてしまう。見れば厚いカーテンが閉められた窓際に、レディキルの野郎がにやにや笑いながら立っていた。
 「ほらよ、外はこんなに明るいんだぜ〜」
 ざっとカーテンが開けられ、明るい春の陽光が室内に溢れる。鉄格子の向こうには、抜けるような青空が広がっていた。
 「‥うっ、あ‥、うわああああああああああ〜〜!!!」
 絶望的なパニックが心の中に広がり、俺は目の前が真っ暗になった。
 空!
 偽りの空が!
 ‥いやだ、目が、あの目が俺を見る!!
 立ちあがりどこかへ逃げようとしたが、何かにぶつかった。夢中でそれを弾き飛ばした。すぐ近くで人の苦鳴が聞こえる。誰かが後ろから飛びかかってきたので、必死でもがいた。手が何かを壊し、熱いものが飛び散る。
 「イヤッハ〜、見ろバンパイアが日光を浴びて苦しんでるぜ〜」
 どこかでけたたましく叫ぶ男の声を聞きながら、俺は必至で暴れた。やめろ、やめてくれ、目が俺を見るんだ!
 夢中でもがく俺が最後に見たのは、悲しそうな顔をした西山さんがブラックジャックを振りおろすところだった。
 鈍い衝撃を感じ、意識が暗黒の中へ落ち込みながら、俺はこのまま二度と目覚めなければいいのにと心から願った。
 ああ、空が‥目が‥


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