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ドミニク、それは……
【その他 官能小説】

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一方的和解-1

私はそれから色々な話をして、そして雅美と別れた。
演劇が終わる時間が近づいたからだ。
そして私は娘の沙耶加のところに行った。
「パパ演劇鑑賞の帰り? どうだった?」
沙耶加の言葉に私はにっこり笑って言った。
「ああ、結構感動したよ。来て良かった。ああ、それからママから預かって来た物が」
私はバッグから妻の作ったおかずや食べ物を出した。
「産後の栄養をつけないと、おっぱいが出ないと言ってたから」
「あら、嬉しい♪」
不思議に私は沙耶加とすらすらと会話が出来た。昔小さい頃、沙耶加が嘘をついたことで物凄く怒ったことがある。
だが私の方が沙耶加の何十倍も嘘つきだ。だから沙耶加が些細な嘘であんなに叱られたのはどう考えても不当な扱いだったと思うし、気の毒に思う。
私のことを恨んでも当然だ。だから私はこれから娘にもっと優しくしてやろうと思った。
「沙耶加。赤ん坊は私が見ていてやるから、明日の休みに二人でどこかに行って来ても良いぞ」
「まあ、パパ。もしかして爺馬鹿になったの?」
私はその言葉に全然腹が立たずに笑った。
「そうそう、それそれ。お前達がいない間に孫の独占さ。爺馬鹿だよ爺馬鹿。ははは……」
私は久しぶりに娘の前で笑う自分の声を聞いた。

                 完 


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