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進め!日比谷研究所
【コメディ 官能小説】

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進め!-13

「博士……?」
「言った通り、何も危険なことはなかっただろ?」
 元気なままの朋子が出てきた。春樹もよく知っている姿の朋子が――そう、春樹のよく
知っている姿の朋子が。
 つまり、胸が大きくなる前の普段通りの朋子に戻ってしまっていたのだ。
「バカなっ!? おっぱいが元に戻っているだと!?」
 その予想外の出来事に驚きの声をあげる。
「つまり、今の光は元に戻る時の光だったんですね」
 最終的な結果にうんうん、と納得しながら頷く春樹。
 どうやら春樹は納得することが出来たようだが、朋子自身は納得できないようで、
「何故だ!? 何故、元に戻ってしまったんだ!? この薬の効果は永続的に続くはずだったのに……」
 ぶつぶつと薬のレシピを呟き始めた。
「あ、あの……博士? い、命には別状がなかったらよかったのでは?」
「いいわけあるか! おっぱいの大きさはな、女にとっては命と同じくらい重要な問題な
のだよ! それなのに、それなのに――」
 わなわなと身体を震わせる朋子。自分の発明品によほどの自信があっただけにその落ち
込みようは尋常ではない。
「ち、小さな胸も素敵だと思います……よ?」
「春樹……貴様――っ!」
 フォローのつもりの、何気ない一言が朋子の心を余計に傷つける。
「お、お仕置きしてやるからな――っ!?」
「え゛っ!? 博士っ!?」
「うわぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
 とてつもなく不穏なことを叫びながらバタバタと研究所の自室へと篭る朋子。その姿を
呆然とした表情で見送りながら、
「何もないことを祈りたいんだけど、無理だよ……ね?」
 これから先、自分に降りかかってくるであろうお仕置きに頭を悩ませるのであった。

「……ふっ、ふふふふ……ついに完成した。春樹に恥辱を味わわされて一週間ほどか、つ
いに春樹へのお仕置きをするためのモノが完成した」
 朋子の目の前にあるお仕置きをするモノ――限りなく人の形に似ているソレに触れ、
「このお仕置きロボで、コテンパンにしてやるからな。あーはっはっはっ♪」
 苦痛に歪むであろう春樹の顔を想像しながら高笑いを浮かべるのであった。
「さて、それでは早速起動させるかね。あたしの自慢のお仕置きロボを」
 ぐふふ、と不敵な笑みを浮かべながらお仕置きロボを起動させる。
「…………起動します」
 キィィィィィィンという起動音を立てながら目を覚ますお仕置きロボ。
「よし、目覚めたな。まず最初にお前に名前をやろう」
「……名前、ですか?」
「そうだ。名前がないと不便だからな。お前の名前は――メアだ。日比谷メアと名乗るがよい」
「……日比谷、メアですか」
「そうだ。不満か?」
「いえ、マスターがつけてくれた名前です不満なぞあるはずがありません」
「そうか。物分りの早い奴で助かるよ」
 素直に物事を受け入れる姿勢に感動を覚える朋子。春樹も同じように素直に物事を受け
入れることが出来たらどんなに楽だろうと思いながらメアに指示を与える。
「メア。お前に任務を与える」
「はいマスター」
「あたしの助手である竹内春樹。こやつにお仕置きをしてやって欲しいのだ。ただ普通の
お仕置きではない、キツク厳しいお仕置きをしてやって欲しい」
「…………了解しました。すべてはマスターのままに」
 こうして春樹へのお仕置きを了承したメアは春樹の下へと向かっていく。
「さて、メアによるお仕置きを見届けたいのだが、あたしにもやるべきことがあるからな。
 そっちを優先させないといけない。実に残念なことだよ……」
 一週間も自室に引きこもりメアの作成をしていたので、普段しなければいけない仕事が
まるまる一週間分溜まっているのだ。これを消化するために自身は再び部屋に篭る。
 初めとは違う理由で。
 せっかくメアを作ったのなら、メアと協力して仕事を終わらせればよかったのだが、春
樹にお仕置きをすることばかり考えていた朋子はスッカリ、そのことが抜けていたのだ。
 いち早く春樹にお仕置きをしたいという気持ちが先行しすぎていたために……

「博士が自分の部屋に篭って一週間か。そろそろ出てきてくれないと困るんだけどな……」
 同じく色々と仕事を抱えていた春樹は部屋から出てこない朋子に困っていた。この研究
所に来る仕事の大半は朋子が居ないと出来ない仕事ばかりなのである。春樹一人でも不可
能ではないが、それでも限界というものがある。


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